大変嬉しいニュースがありました。今年の一番最初の記事に、ある大手コンビニチェーンに対して高校生たちが、お惣菜シリーズの名称が男女差別的な無意識のバイアスを助長するから変更してほしいと要望し、署名を集めているという話を書きました。そしてこのたび、名称が変更されることになったそうです。
ファミマのお母さん食堂などが「ファミマル」に。
お菓子の包装についてメーカーにお願いしたのも、こちらの件も高校生だった。お菓子メーカーは誠実に対応したしファミマはこうなった。若い人たちの行動力に感服しました。大人がペシミストになってる場合やないで。 https://t.co/8yYvRrZM1G
— mipoko (@mipoko611) October 11, 2021
ファミマの「お母さん食堂」→「ファミマル」に変わるそう😭🙌
当時、声を上げた女子高校生たちに寄せられた大量のバッシングを思い出して泣いてます。#国際ガールズデーファミマ「お母さん食堂」の名前変えたいと女子高校生が署名活動、「料理するのは母親だけですか?」https://t.co/HbQEXOOHFV
— 竹下郁子 (@i_tkst) October 11, 2021
声をあげれば、届くときには届くものですね。こうやって少しずつでも、女性と男性の双方がともに生きやすく、子どもたちが育ちやすい社会が形成されていけばと思います。制度の改善も非常に大事ですが、人々の意識が変わらなければ、せっかくの制度も使えません。お惣菜の名前のような、日常的なところが大事だと思います。
日本は夫男性が有給で育休できる長さはOECD加盟国などで第1位だよ。でも非正規が半分近かったり、何より「家父長制」を内面化していて休業を使いにくい。当事者もまわりも。
日本の権力構造の根幹にある伝統的家族観というアイデンティティ。若い世代も知らぬ間に捕まってる。https://t.co/f10u6tTBUn— 桜井智恵子 (@chie_sak) October 3, 2021
さて、衆議院議員選挙が始まりました。母の体が不自由なので、いつも期日前投票に行きます。たくさんの人が来ていました。選挙管理をしておられる自治体の皆様には、頭が下がります。
若い人たちの中にも、自分たちの考えを発信している人もいます。FREE京都のTwitterを紹介しておきます。FREEというのは学費の無償化を求めている学生団体で、各地に存在しており、京都にもあります。結成されて数年がたちますが、昨今は研究者も顔負けの情報収集と発信をしていて、すごいですね。彼女・彼らの主張に賛成の方もそうでない方も、国内外の学費事情について学べますから、ぜひ見てみてください。
学費問題に関連しては、学費半額化や奨学金の返済免除などを公約に掲げているところもあります。選挙が始まる前に、自民党の公約に「改憲4項目」の実現が掲げられるというニュースが入ってきました。教育に関する項目も含まれています。この話題について、以前に書いたことがあります。一部リンク先が途切れてしまっていますが、それ以外は変化していませんので、ぜひ参考になさってください。
そういえばこの改憲4項目を、安倍元首相は「教育無償化」と言っていましたが、さすがに嘘すぎるということになったのか、岸田首相は総裁選前後の記者会見等で「教育の充実」と言っていました。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。