電動車いすの人と一緒に離島に行ってみたら…。(2)

前回の続きです。鹿児島県の離島「与論島」に、脳性麻痺で電動車いすの人と一緒に行った時の話です。
那覇空港から与論空港はプロペラ機で30分、琉球エアコミューターにのります。プロペラ機ですから、飛行機に乗るにあたって、タラップを上らなければなりません。10年前に与論島に行った時も私はプロペラ機に乗っていますが、その時は細い10段ほどの階段を上って飛行機に乗った記憶がありました。「どうやって乗るんだろう?」実はここが一番心配でした。搭乗口から飛行機まではバスで移動です。ここも、ちゃんと、スロープがついているバスです。到着した飛行場に止まっている琉球エアコミューターのプロペラ機は10年前とはうって変わって超カッコイイ機体になっていました。タラップは4段くらいです。「おーい!こっちこっち!」と整備士さん?が助けを呼んで、総出で6人くらいで「せーの!」と抱えてあげてタラップを上ってくれました。みなさん慣れていないので、「そんな抱えかたしたら腰に悪いよ~」と思うような姿勢でしたが、毎日でなければ大丈夫だと思います。それより、雨の中抱えてくれた気持ちがうれしかった。
与論空港には友だち夫婦が迎えに来てくれていました。12月3日でしたが、与論についたとたん暑くて暑くてたまりません。半袖で十分な気候でした。空港から宿までの移動は、社会福祉協議会の車いす車両を借りてくれていました。今回の旅行は、社会福祉協議会主催の「奄美群島社会福祉大会in与論」に記念講演で呼んでいただいていたので、そのような車両をお借りできたのですが、プライベートな旅行で行く場合は、車いす用のレンタカーの手配が可能なのかどうか調べる必要があります。
宿は竹丸荘という民宿でした。完全バリアフリーというわけではなく、「お手伝いします!」と入口の段差を乗り越える時は一緒に民宿のお母さんが抱えてくださいました。玄関を上がったら、電動車いすで室内もすべて移動可能のバリアフリーです。
与論の海は本当にきれいな色でした。友人の子ども(小学3年生)に案内してもらって散歩に出ました。電動車いすの人が一人もいない島。友人の子どもは、近所の家、一軒一軒に「こんにちはー!電動車いすの人が来たよ!」とあいさつをして回ってくれました。「ここは、犬に噛まれた◯◯くんのおうちだよー。」「ここは、◯◯くんを噛んだ犬がいるから、危険なので、道のこっち側を歩いてねー」と超ローカルな案内での散歩。時間がゆったり流れていました。


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About 坂本彩 41 Articles
坂本彩(彩社会福祉士事務所) 大学卒業後、20年間、知的障害のある人とかかわる仕事をする。2017年に、独立型社会福祉士事務所を開業。福祉施設のアドバイザーや研修講師、成年後見人の受任、大学の非常勤講師などをしている。障害のある人もない人も一緒に「学び合いの空間づくり」をしていきたい。社会福祉士、介護福祉士、障害者相談支援専門員、そのほか、漢方養生士指導士、漢方スタイリスト、薬膳アドバイザーの資格も持つ。