電動車いすの人と一緒に離島に行ってみたら…(1)

はじめまして。このたび、月1回記事を書かせていただくことになりました。よろしくお願いします。
今回から何回かにわけて、鹿児島県の離島「与論島」に、脳性麻痺で電動車いすの人と一緒に行った時の話を書こうと思います。与論島は、観光客に人気のとてもきれいな島です。しかし、島には電動車いすの人が一人も住んでいません。ヘルパー制度もありません。ヘルパーという仕事をしている人が一人もいないわけです。人口5,000人ほどの島です。身体障害手帳を持っている人は308人です。このコラムは、「読んでいただく方に情報を伝える」ことが大切だとお聞きしましたので、そんな離島に、電動車いすの人と一緒に行ったらどうやって過ごすのか、そんなお話を書きたいと思います。

車いすを預けて木製車いすに。

まず、飛行機です。私たちは、伊丹空港から沖縄の那覇に行き、そこで乗り換えてプロペラ機で与論島に戻るようなルートでいきました。電動車いすの人が飛行機に乗るとき、どうするのか。私たちは、まず、ふつうに旅行サイトで飛行機のチケットを取った後、飛行機会社であるJALのプライオリティ・ゲストセンターという窓口に電話をしました。そこで、「電動車いすの人と一緒に飛行機に乗るのですが…」と伝えると、搭乗機の確認と電動車いすの場合は、受託手荷物として預けるので、バッテリーの種類・折り畳み可否・サイズ(高さ・幅・奥行)・重さなどの確認があります。そして、座りやすい席の場所を指定してもらいます。国内線の場合、出発の1時間前にはカウンターに行く必要があります。

さて、今回、私は電動車いすの人と飛行機に乗るのは3回目くらいだったのですが、

手押しの木製車いす。

JALは初めてで、まず、びっくりしたのが「JAL特製の木製車いすがある!」ということでした。電動車いすを手荷物に預けたら、飛行機会社の車いすに乗り換えて移動するのですが、その時の車いすが木製なのです。「これは、JALの手作りですか?」と聞いたら「はい。金属探知機に引っかからないように木製です。」と言われました。それから、その車いすは、座席に座るときには、ひじ置き等のパーツが簡単に取り外せて、どんどんコンパクトになり狭い飛行機の通路もぴったりのサイズで通れました。自力である程度車いすから座席に動ける方だったので、なんの問題もありません。無事に飛び立つことができました。那覇についたら、また、那覇空港にある木製車いすがお出迎えです。

那覇空港内は木製車いすで移動。

ただ、ひとつ、ここで困ったことがありました。電動車いすは、手荷物としてそのまま与論空港まで行ってしまいます。那覇空港内では、この木製車いすで移動しなければなりません。2時間の乗り換え時間があったので、「ソーキそば食べようね!」「ブルーシールアイス食べようね!」とバタバタしていた私たちは、トイレのことをうっかり忘れていました。プロペラ機の搭乗口の付近には車いす用トイレがなかったのです。もう一度広いフロアに戻って、車いす用トイレを発見しました。いつもなら、一人で中に入って移動してトイレも済まされるのですが、木製車いすは電動ではないので、一人では移動できません。電動車いすの彼は男性で、私は女性なのです、私たちは友人関係ですので、「基本的に、排泄・着替え・入浴などの介助は異性なのでしない。」という約束をしていました。しかし、木製車いすは自動で動いてくれないので、トイレの戸を内側からしめてから、トイレのそばまで移動する手段がないわけです。外側からカギはかけられないし…。結局その時は、便器の近くまで押していき、私は外に出て、ご本人は、何とか介助なしでトイレを済ませてもらえました。帰りの那覇空港でも同じことになり、その車いすトイレはとても広くて、入り口から便器までがものすごく遠いつくりだったので、もっと困られました。盲点だったなあ…。行ってみて初めてわかったわけです。(続く)


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About 坂本彩 7 Articles
坂本彩(彩社会福祉士事務所) 大学卒業後、20年間、知的障害のある人とかかわる仕事をする。2017年に、独立型社会福祉士事務所を開業。福祉施設のアドバイザーや研修講師、成年後見人の受任、大学の非常勤講師などをしている。障害のある人もない人も一緒に「学び合いの空間づくり」をしていきたい。社会福祉士、介護福祉士、障害者相談支援専門員、そのほか、漢方養生士指導士、漢方スタイリスト、薬膳アドバイザーの資格も持つ。