1月19-20日(土日)に大学入試センター試験がありました。概ね天候にも恵まれ、大きな混乱なく実施されたようで良かったです。現在の大学入試センター試験(以前は共通一次試験と呼ばれていたこともありました)は2021年1月から大きく変わります。この新テストを巡っての批判記事がこの時期にまとまって登場してきました(関連したことを1月3日にも書きました)。
英語の外部試験導入に関しては、日本外国語教育改善協議会が反対声明を出しました(理由は5項目。1.複言語主義について。外国語は英語だけではない。2.日本の大学入試制度と、CEFR は考え方が異なる。3.スピーキングテストは、外部試験導入の必然的理由とはならない。4.公的試験は、公平でなくてはならない。5.外部試験導入は、学校教育を改善しない)
日本外国語教育改善協議会が、外部試験導入に反対する声明を出しました。項目は5つ。1.複言語主義について。外国語は英語だけではない。2.日本の大学入試制度と、CEFR は考え方が異なる。3.スピーキングテストは、外部試験導入の必然的理由とはならない。(1/2) https://t.co/aVpcZlMQNZ
— 阿部公彦 (@jumping5555) January 16, 2019
問題は英語だけではありません。
「「思考力や表現力」どころか、従来型の学力すら、判定できない試験」。おっしゃる通り。ほんとにこれを強行する? https://t.co/qJehGzYGB3
— 阿部公彦 (@jumping5555) January 21, 2019
この改革は一体誰のためのものなのだろう。教育現場との立場の違いこそあれ、受験生の保護を最優先に政策を立案してきた教育行政サイドの発想とは到底思えない。 https://t.co/ZZ90YlNi2m
— Yosuke YANASE (柳瀬陽介) (@yosukeyanase) January 19, 2019
1月3日の記事でも紹介した南風原先生も日経新聞に論考を寄せています。内容を読みましたが、大学の入試関係者が集まる場では、「どうやって改革による被害を最小限にするか」という声が多く聞かれるとのことでした。
本日の「日本経済新聞」で南風原朝和さんが入試政策を批判。英語民間試験も国語記述式も、成果が見こめないのに無駄なコストを受験生に強いるもの。制度が問題だらけだとわかっていながら導入する大学の「無責任さ」にも触れています。https://t.co/jEQFHgtAkt
— 阿部公彦 (@jumping5555) January 14, 2019
そして、こんなことが進められていく背景にこんな疑惑も。鉄のトライアングルだそうです。
大学入試改革の旗振り役 慶應元塾長に利益相反疑惑。ベネッセと共にGTECを運営する進学基準研究機構(CEES)の理事長は、文部事務次官だった佐藤禎一。評議員は、入試改革答申をまとめた元慶應義塾大学塾長の安西祐一郎。入試改革が利権の巣窟になっている。https://t.co/WicEVRztoP @YahooNewsTopics
— 江利川 春雄 (@gibsonerich) January 23, 2019
英語教育「改革」とやらが孕むさまざまな問題も、結局はこれ↓が発生源だよなあ、と思う日曜日の昼(しごとちう)。
「鉄のトライアングルとは、政策形成過程における政官財(政官業。政界、官界、財界の3業界)の癒着構造を示す語。鉄の三角形、鉄の三角同盟とも呼ばれる」https://t.co/uzUUP2Rryt
— 大橋 穣二/英文構造図の館 (@George_Ohashi) January 20, 2019
2021年ではなく今年の話ですが、こんな記事もありました。女子受験生などに対し不当な評価を行っていた東京医科大学の今年の入試です。
「ここまで敬遠されるとは正直思っていなかった」んだそうだ。トホホ…https://t.co/HahIoTfZAe
— Junko Nishigaki (@JNishigaki) January 21, 2019
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。