先々週は安倍首相による学校の全国一斉休校要請について取り上げました。地域によっては学校を続けたり再会したりしているところもありますが、概ね休校が続いています。世論調査結果などを見ると、日本社会全体では「仕方ないじゃないか…」という受け止めが少なくないようにも思います。本当にそうなのか、この2週間の間に上がっている様々な声を拾ってみました。
まずは「感染の不安」にもまして「不安の感染」が広がる中、子どもたちのことを思って書かれたこちらのエッセイをぜひご覧ください。
新型コロナウイルスに関連して「不安の感染」が広まる中の子育てについてのメッセージ。赤木和重さんのエッセイです。ー(第7回)感染の不安? 不安の感染? https://t.co/RgisAjGY17
— Junko Nishigaki (@JNishigaki) March 14, 2020
子どもが家の外に出ても良いのかどうか、不安を持つ親御さんもいらっしゃると思います。中には子どもが外にいるのを見て通報する人もいるようですが、子どもたちの行動を過剰に規制する必要はないようにも思われます。
諏訪中央病院の鎌田実名誉院長も、密集を避けて手洗いを欠かさなければ遊具で遊ぶのも大丈夫だとした上で、今回の臨時休校が学校や家庭の準備が十分でないまま始まった点を重視。「感染拡大を防いで社会活動を維持する… #NewsPicks https://t.co/RpFKdXbDL0
— 平野啓一郎 (@hiranok) March 6, 2020
「一斉休校」に関連した情報サイトも立ち上がっています。教職員向けとありますが、保護者の方や生徒さんにも役立つ情報もありますね。自分や自分の子どもたちの状況を、少し広めの視野から理解しやすくなるかと思います。
仲間たちと共に立ち上げた「全国 #一斉休校 要請」についての情報サイトに各地からの情報が寄せられ、益々充実してきました。今日も各地にいるメンバーがネット会議で各地の状況を共有し合い、いま現場で求められていることの見極めをします。https://t.co/bU5h6YowEP
— 鈴木 大裕 (@daiyusuzuki) March 6, 2020
子どもたちも説明を求めています。
彼らの行動を支持します。そして、政府は疑問に答える義務があります。 / 突然の一斉休校、大人たちは説明して 中学生が署名提出 (朝日新聞デジタル) #NewsPicks https://t.co/YKNXsv46AF
— 平野啓一郎 (@hiranok) March 7, 2020
家庭の状況は様々で、学校に行かないことで心身の危険が高まる子どももいます。そういう子どもたちを守ることを、もっと真剣に考えてほしいというキャンペーンもあります。
以下のキャンペーンに賛同をお願いします!「突然の休校!
子どもと保護者を孤立させないサポート体制づくりを急いでください。」 https://t.co/Z0HXu23SC4 @change_jpさんから— Junko Nishigaki (@JNishigaki) March 14, 2020
話が少し変わりますが、一斉休校要請後の安倍首相の記者会見が、「官邸側にあらかじめ質問を渡しておいた記者」と、「用意された原稿を読み上げただけの首相」による「茶番劇」だったことが、証拠となる文書とともに明らかになるということもありました。首相は「まだ質問があります」というジャーナリストの追加質問を無視して立ち去ったそうで、このようなことは他の先進国ではありえないことです。
「そこには権力者と取材者との緊迫したやり取りなど存在しない。あらかじめ用意された紙を読んで質問をしたことにする記者。それに応えて予め用意された答弁を行うことで誠実に対応しているように見せる首相。それが20分弱繰り返されたというわけだ」 https://t.co/f64iyPpF1P
— 吉岡正史 (@masafumi_yoshi) March 10, 2020
この異常な状況を変えようという署名も集まっています。
署名が1万を超えました。皆さんの声が報道を変えます。引き続きよろしくお願いします。
キャンペーン · 十分な時間を確保したオープンな「首相記者会見」を求めます! · https://t.co/l97iYWsM40 https://t.co/gIhNVroKDL— 上西充子 (@mu0283) March 8, 2020
最後に、「自粛」について改めて考えさせられるtweetを2件紹介しておきます。演劇も取りやめに追い込まれているところが多いですが、比較的少人数の集まりもありますし、公演取りやめ以外にも対策の取りようはあるのですが、「こんな時に演劇なんて…」という視線は確かに怖いものかもしれません。
【🧐「表現の自由」を考えるプロジェクト👀】「いまはレジスタンス(抵抗)の時代。大事なのは信頼と連帯」萎縮・忖度の空気が拡がる中で、表現者たちの声に耳を傾け、この社会に「自由の気風」が生まれるヒントを探ります。第4弾は劇団「青年団」主宰の劇作家・平田オリザさんのメッセージです! pic.twitter.com/3er1OWCqCC
— Choose Life Project (@ChooselifePj) March 10, 2020
ドイツのメルケル首相の発言。ニュースでは「70%が感染」という数値ばかりが強調されていますが、彼女はそれだけを言ったのではなく、「互いを思いやる心が試されている」という重要なメッセージを伝えていたのですね。
同時代の政治的リーダーなのにどうして発言がこれほどまでに違うのだろう。メルケルは、試されているのは互いに思いやる心だという。信頼できるリーダーの存在は民衆の潜在的な力につながる。しかし、こうしたニュースへの日本のメディアの反応が鈍い。意図的かと思うほど鈍い。 https://t.co/lGWqGmW90H
— 若松英輔 (@yomutokaku) March 11, 2020
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。