一斉休校と「自粛」の中で試されるもの

先々週は安倍首相による学校の全国一斉休校要請について取り上げました。地域によっては学校を続けたり再会したりしているところもありますが、概ね休校が続いています。世論調査結果などを見ると、日本社会全体では「仕方ないじゃないか…」という受け止めが少なくないようにも思います。本当にそうなのか、この2週間の間に上がっている様々な声を拾ってみました。
まずは「感染の不安」にもまして「不安の感染」が広がる中、子どもたちのことを思って書かれたこちらのエッセイをぜひご覧ください。


子どもが家の外に出ても良いのかどうか、不安を持つ親御さんもいらっしゃると思います。中には子どもが外にいるのを見て通報する人もいるようですが、子どもたちの行動を過剰に規制する必要はないようにも思われます。


「一斉休校」に関連した情報サイトも立ち上がっています。教職員向けとありますが、保護者の方や生徒さんにも役立つ情報もありますね。自分や自分の子どもたちの状況を、少し広めの視野から理解しやすくなるかと思います。


子どもたちも説明を求めています。


家庭の状況は様々で、学校に行かないことで心身の危険が高まる子どももいます。そういう子どもたちを守ることを、もっと真剣に考えてほしいというキャンペーンもあります。


話が少し変わりますが、一斉休校要請後の安倍首相の記者会見が、「官邸側にあらかじめ質問を渡しておいた記者」と、「用意された原稿を読み上げただけの首相」による「茶番劇」だったことが、証拠となる文書とともに明らかになるということもありました。首相は「まだ質問があります」というジャーナリストの追加質問を無視して立ち去ったそうで、このようなことは他の先進国ではありえないことです。


この異常な状況を変えようという署名も集まっています。


最後に、「自粛」について改めて考えさせられるtweetを2件紹介しておきます。演劇も取りやめに追い込まれているところが多いですが、比較的少人数の集まりもありますし、公演取りやめ以外にも対策の取りようはあるのですが、「こんな時に演劇なんて…」という視線は確かに怖いものかもしれません。


ドイツのメルケル首相の発言。ニュースでは「70%が感染」という数値ばかりが強調されていますが、彼女はそれだけを言ったのではなく、「互いを思いやる心が試されている」という重要なメッセージを伝えていたのですね。

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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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