AIの進化と仕事や暮らしの行方

今日は節分です。春の始まり。桜の開花予想もそろそろ聞こえてくる時期ですね。ここのところ、とんでもなく寒いので、暖かくなるのが待ち遠しいです。

さて、ここのところ、私のまわりで聞こえてくる話題が、「ChatGPT」の話。これは、インターネット上で無料で公開されている、言語処理に特化したAIです。チャット形式で、質問や要望を打ち込んだら、答えてくれます。これが、すごいのです。

今まで、インターネットでの検索は、検索ワードを入れると、それに関するリンクが順番に表示されていました。また、ネット上に辞書を提供するサイトは数ありますが、どのサイトも、例えば「犬」を検索すると「犬」に関する説明が、日本語や英語で表示されるなど、その「言葉」の意味を調べるためのものです。

しかし、ChatGPTは、言葉の意味を教えてくれるのはもちろん、それに加えて、提案してくれたり、ちょっとした言葉に関する作業をしてくれるのです。例えば、「日本の高齢化、少子化が社会保障制度にも与える影響は何がある?」と尋ねると、年金や子育て費用や医療費についての課題をあげてくれます。また、例えば、外国語の翻訳や添削をすることも可能です。

ここまで試してみて、ふと思ったのは、今まで大学生ぐらいになると、レポート課題は単純に教科書で調べて丸写しをするのではなく、調べたことから課題と対応を自分なりに考えるなど、「原因と結果と対応を考える」ことが大切だと思っていましたが、このままだとChatGPTが簡単に課題レポートを作ってしまうということです。

ICT技術の進歩が目覚ましいのは、それを体験できる身からすると喜ばしいのですが、このままコンピュータが考え、課題を整理し、対策まで考えるようになると、人間がするべきことがどんどん減ってくるようにおもえます。たしかに、膨大なデータを蓄え、それを分析し、比較し、関連づけて、処理をすることはコンピュータが得意とすることで、人間がコンピュータにかなうことは、もうないでしょう。

介護の世界で考えると、ある人の事細かなデータが取れたら(実際に、例えば睡眠レベルをチェックして、トイレに起きそうなタイミングを感知するような仕組みもある)、コンピュータがいろいろ分析して「この人はタイミングにトイレに起きるので、今日の夜勤さんはこの順番に見回ってください」とコンピュータが指示をだせるのかもしれません。いや、それ以前に、見守りすらもロボットで可能な気がします。ロボットの導入は、人手不足の福祉・介護業界では、いろいろと進んでいます。

人間がコンピュータと変われないことがあるとすれば、「人と人とのコミュニケーション」に存在する『何か』を感じ取って通じ合うことかもしれません。幸い(?)にも、日本語で使う場合のChatGPTは、まだその言葉は、ロボットらしさを感じる文章です。人間のそれぞれが持つ、言葉や文章表記の揺らぎが少なく、型にはまった表現が多いと感じます。しかし、いずれ、大勢の人が利用していくと、人の言語を使う特徴を、コンピュータは覚えて、よりリアルな表現ができるようになるでしょう。そのとき、もしかすると、人間の心の動きに寄り添った対話もできるようになっているのかもしれません。

ChatGPTの登場で、私の周りでは、「語学の先生の代用ができるかも」とか「文章を書く人はいらなくなるかも」とか、いろんな予想と危惧が聞こえてきます。私のような福祉職はどうなるのか、空想と「仕事がなくなったらどうしよう」という不安が入り混じります。

いずれにしても、時代の変化のスピードがどんどん速まっています。アトムやドラえもんみたいなロボットはまだ現れていませんが、私たちの生活がICTやAI、ロボットの登場でより充実する部分もありますし、そうでないと思う部分もあるかとおもいます。また、技術を使える人と、そうでない人は、情報や生活の利便性に関する差が開きます。

情報技術格差が生じて、取り残される人がなくなるように。

新しいものが導入されるときには、それが行きわたらない場合のことも考えて、支援を考えていかねばならないなぁと思う今日この頃です。

皆さんの暮らしに、たくさんの福が舞い込みますように。

近所の池にあるドア。どこにでも行けるドアなのか、すずめが戸締りするドアなのか、わかりませんが、開けたいような、開けるのが怖いようなドアがあるのです。そういえば、コロナのパンデミック以降、Zoomなどのオンライン会議システムが一気に広まりました。子どもも、家から学校の授業にオンラインで参加できるなど、コロナ前には想像できなかったことが、一気に広まりました。ただ、それに伴って、「ネット社会」でのルールとリスクなど、それ以前にはなかったことも登場しています。新しいものは、面白そう!と思う気持ちとともに、そのもののメリット・デメリットを把握して使わなければならないとなると、それを理解する力も必要となります。なんだか、普通に暮らすのも、大変な時代だなぁ・・・と思いながら、ドアを横目に、池の周りを散歩しました。次に行ったら、開けてみるかどうするか、、、悩むところです。

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兵庫県在住。「福祉×ICTで、毎日を安心安全に、心豊かに。あなたに寄り添う相談援助」をモットーに『森のすず社会福祉士事務所』開業。成年後見等による高齢者・障害者支援、認知症の方と家族の支援ならびに防災と福祉の地域啓発活動、スクールソーシャルワーカー、各種研修講師などの活動に取り組んでいる。2022年から同志社大学社会学研究科の後期課程博士課程院生。カレーと豆好き。犬大好き。社会福祉士、公認心理師、防災士。介護支援専門員。第1種大型自動車免許、2級FP技能士、第2級アマチュア無線技士。