コロナ禍の中、学生の学ぶ権利の保障も

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う各種の自粛呼びかけや緊急事態宣言により、様々な業種の人々が経済的にも精神的にも苦境に立たされていますが、全国の学生たちも非常に厳しい状況にあります。「カナリア倶楽部」でもこれまで、現在の日本の大学の学生たちが置かれている苦境について記事にしてきました。コロナ禍以前でも危なっかしい状況にあった若者・学生たちの学ぶ権利が、いよいよ危機的な状況になっているということだと考えられます。
高等教育の学費や奨学金制度の改善を目指す学生アドボカシー・グループのFreeが行った調査では、13人に1人が退学を検討している状況にあります。


Covid-19の感染拡大を受けて、多くの大学で学生のキャンパス内への立ち入りが制限され、遠隔授業、web授業を実施することになりました。webで授業を受けられるだけの情報環境やネット環境を持っていない学生も少なくなく、彼女・彼らには経済的に(精神的にも)大きな負担です。そしてちょうど大学は、前期の授業料の納入依頼を学生・保護者に通知する時期でもあります。おそらく多くの大学で、「web授業のためにネット環境等を整えてください」と学生や保護者に依頼する部署と、「授業料を払ってください」と通知を出す部署は異なっているのだと思いますが、これらの依頼をほぼ同時に受け取った場合の、学生・保護者の戸惑いはわかるように思います。
いくつかの大学で学生たちが、所属先の大学に対して授業料の減免を求める署名活動を始めました。個人的には「web授業になるのだから授業料を返せ」と、「大学に対して」要求する論理には疑問を持ちます。web授業を実施するのは、大学への財政的な負担が少なくありませんし、教職員の労力にも大きな負担です。他方で、学生たちの困窮と困惑も無視できるものでないのは事実でしょう。
このような中、「国の予算で、国公私立の違いや、課程や学年の違い、国籍の違いを問わない学費半額への一律減額を求める運動」が始まっています。個別の大学での署名活動を行ってきた学生たちが議論して始めた活動のようです(こちらのリンク先の下の方に、個別の大学での署名活動グループのリストがあります)。


学生に支援金を出したり、従来からある経済的支援を拡充する大学もありますが、やはり個別の大学にできることは限界があります。


国にしっかりと動いてほしいと思います。ちなみにカナダは大規模な支援策を打ち出しています。


追記:
国内の各大学の動きや学生たちの取組、政府の動き等については、こちらのサイトに情報がまとまっています。


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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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