2月26日木曜日の夕刻、安倍首相が突然に全国の小中学校、高校、特別支援学校の一斉休校を要請しました。しかも3月2日から春休みに入るまでの期間(つまり夏休み並みの長さ)というので驚きです。
しかもこの決定、専門家会議に相談なく出されたものです。
専門家に相談しなかったのか。
専門家会議委員①「感染が起きていない地域で同じ対応をとることにどれほどの効果があるかはわからない」
専門家会議委員②「専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ」https://t.co/IXbc4AvHPz
— 望月優大 (@hirokim21) February 27, 2020
専門家会議の委員の一人、武藤香織先生に見解に込めた思いを聞きました。インタビュー後、今回の一斉休校の話が出てきたので、専門家会議で議論したのかどうかも追加で聞いています。困惑なさっているようです。https://t.co/PTHMH1DpEQ @nonbeepandaさんから
— 岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda) February 28, 2020
こんなひっくり返りそうになる施策をやるならエビデンスを示せということ。示せるわけないよね。専門家の意見を聞かず、独断で「政治的に」やったんだから。 https://t.co/CFSYJ2xz78
— ポピュリスト監視で委員会 (@tonden2) February 29, 2020
岩田教授のツイートも挙げておきます。
他の国も学校休みにしてる、というご意見を頂戴しました。確かに中国やイタリアの都市ではそうなのですが、それは店、レストランなどすべて閉じ、鉄道も止めずといったオールレンジの対策の一部としての休校で、「学校だけ休む」というのはこのコロナウイルスの特性を考えると合理的とは言えません。
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) February 27, 2020
なお、総理大臣にこのような決定をする権限はありません。しかし各地方の教育委員会や首長が、総理からの要請に抗うことはほぼ不可能なようです。休校開始日を少し遅らせた地域はありますが、休校そのものを拒否するところは多くないと思われます。
首相は何の権限があって「休校を要請」したのか?少なくとも首相には、命令権も強制力もないのだから、各学校は唯々諾々と従うのではなく、それぞれが保護者とよく相談し、最善の措置を考えるべきだ。任意登校という方法もある。
— 前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民) (@brahmslover) February 27, 2020
全国小中高への休校「要請」の何が問題なのかが、湖南市の谷畑英吾市長のFacebookに丁寧にまとめられている。https://t.co/Zwuq6qLtWQ pic.twitter.com/aoJXc9JbRp
— 橋口幸生@新著「言葉ダイエット」発売中 (@yukio8494) February 28, 2020
全国の小中学校、高校、特別支援学校に、安倍首相が臨時休校するよう要請する、と表明。
それを報道で知ったという千葉市の熊谷市長が「いくらなんでも」と苦言を呈しています。(瀬谷健介 @dondon_01)
【New】「社会が崩壊しかねません」 千葉市長が安倍首相に苦言https://t.co/cLN5PfwSmA
— BuzzFeed Japan News (@BFJNews) February 27, 2020
休校要請発表の翌日には、急に「地方で判断してくれ」と言い出したりしましたが、それは都道府県や市町村への責任の丸投げです。何の準備もなく「休校に」と国が無理な要請をした。地方が休校にできないままに感染がおこれば、「休校にしろと言ったじゃないか」と言えてしまうわけですから。
専門家の意見も無視して、どれだけインパクトのある「やってる感」を演出できるか、だけしか考えてない。この期に及んで、どうしてこうした振る舞いが出来るのか。しかも翌日になると、批判を受けていきなり丸投げ。 #NewsPicks https://t.co/va618GxmCq
— 平野啓一郎 (@hiranok) February 28, 2020
テレビの報道を見ていると共働き世帯の困惑が多く伝えられています。それも大きな問題ですが、こんな問題もあります。
「コロナに感染する前に、食べられなくて死んじゃう子もいる」 フリースクールが一斉休校を拒否する覚悟 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット) https://t.co/Bz7o6uZPkd
— 木村草太 (@SotaKimura) February 28, 2020
卒業式などができなくなる子どもたちのことも。臨床心理士の東畑さんの指摘は重いと思います。
卒業式のない卒業。子ども達がうまく心に折り合いをつけられるといいのだけど。儀式は形式主義的だから、なくても良いもののように思えるけど、実際には人生の別のステージに移るときの不安定な心をフワッと包み込んでくれるもの。みんなと一緒に「儀式すること」が、人生の移行を支える。
— 東畑 開人 (@ktowhata) February 28, 2020
こんなエピソードもあったようです。
息子6年生。急遽最後になってしまった給食に、栄養士さんが朝5時にやってきて、6年生のために予定の献立とは違うありったけのご馳走をつくってバイキングにしてくれたそう。息子は、ちんすこう8本食べたと喜んでいたけど、母は泣いた。ありがとうございました。
— 小鳥 (@kotorieee) February 28, 2020
ちなみに台湾でも学校の休校がありましたが、それに踏み切る前の対応が全く違っていました。
「休校中に小学生の世話が必要になる保護者は、看護休暇を申請できるようにした。もし、企業が有給休暇の取得を拒否した場合、法律にのっとって処罰することも表明。」
台湾、すごい!✨ https://t.co/FCGIsvU9tS
— シブヤ@父親育休で夫婦の幸福感UP! (@papaikukyu) February 28, 2020
最後に、イタリアで休校になった子どもたちに送った校長先生の手紙が素晴らしいと話題になっているので紹介します。
イタリアで休校になったミラノの校長先生が生徒に宛てた手紙が素晴らしい!と。17世期ペスト流行のときと同じ差別やパニック、デマが起きている?大人にもしみます😌 https://t.co/F89RXhbHsD
— 麻生れいみ (@dietitian_reimi) February 28, 2020
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。