全国学力調査結果によって苦しむ学校

8月に2回書きましたので、しつこいと思われるかもしれませんが、もう1回お付き合いください。
8月16日の記事に書きましたが、大阪市長が全国学力テスト結果を教員の評価・給与や学校予算に反映するということを言い出しました。具体的な検討が始まったとのことです。

 Yahoo!ニュース 
大阪市教委、教員評価に全国学力調査の結果を反映へ(朝日新聞デジタル) - Yahoo!...
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180914-00000111-asahi-soci
小中学生が受ける全国学力調査の結果を校長や教員の評価に反映させるとする大阪市の吉 - Yahoo!ニュース(朝日新聞デジタル)

「全国学力テスト」結果への反応(2)」で、1960年代に行われていた学力テストが、学校と子ども達にとって酷い弊害を招いたことを紹介しました。
実は現在行われている学力テストでも、同様の弊害が出てきます。
学力テストの点数upに向けた強烈なプレッシャーやテスト回答練習の横行があることが、名古屋大学の内田良先生の記事に詳しく紹介されています。

国として学力の状況を把握することは大事ですが、それは何年かに一度、サンプル調査で十分です。それなのに毎年悉皆調査をやるのは無意味でもあり、全国学力テストはやめるべきという意見もあります。

上記の内田先生の記事にもありますが、大阪のような点数の低い自治体のみではなく、点数の高かった自治体でも弊害は大きいのです。
「学力トップ」を誇ってきた福井県では、生徒の命が失われる痛ましい事件があったこともあり、議会が「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」を可決しました。「(学力テスト)日本一であり続けることが目的化し、本来の公教育のあるべき姿が見失われてきたのではないか」と指摘されています。全文はこちらから読めます。


「学力」というのは簡単には把握できないものですが、様々な理由でそれを把握しないといけない状況はあります(「健康度」を把握するのは簡単ではないけれども、健康診断は重要であるのと構造的には似ているかもしれません)。そいうときにテスト(学力テスト)が使われます。けれどテストというのは非常に危険なものでもあり、一人歩きをさせてはいけません。大阪の問題は全国の問題でもあると思います。

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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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