3年前に多発性骨髄腫という血液のがんと診断され、自宅療養を続けている早川一光が、つれづれなるままに語った孫との暮らし。今は眼がほとんど見えなくなって、食事も手探り。そんなおじいちゃんに、幼い孫は・・・?? 画面をクリックして、早川の声をお聞きください。
食事の時は孫が僕に刺身を食わしてくれる。醤油とわさびをつけて食わしてくれる。これがねぇ、誰にも教えることが出来ない。年寄りのそばにおって、食べ物を食べさせるという、その何気ない行為というのが、人間の基礎。あーんして、ああ、おいちい、おいちい、あーんして・・・。これがね、僕、介護の始まりやったんやないかと。そう思うと、こうして同居しながら、誰も教えることがない、親がやってることを隣で、今度小学校1年に行くんですけど、それが見よう見まねでね、寿司を食わしてくれる。これが教育か。これが人間教育なんだなぁと思うとね、僕、その人間教育の習慣を、長い間、日本が忘れてるんではないか。これが今度の選挙でね、また再び戦争を繰り返しても通るというような政治家を、大手を振って許して通すような国民になっているところに、僕、危機を感じる。それは何故かといったらね、いろいろ原因があると思いますけども、医療は医療、福祉は福祉、分かれ分かれて、小刻みのように切られていく日本の政治。これは93歳の僕から見れば、かつて通った道。間違いありません。