子どもの頃に覚えたことわざの一つに「医者の不養生」というのがあります.ご存じの通り,言葉では立派なことを言い,他者にはそれを求めているのに,自分では実行していない,ということの例えですね.
福祉業界を見ていると,利用者さんには健康を意識した生活や食事を求め,自分自身は…ということも,しばしば見かけます.私もそのうちの一人であるかもしれません.
福祉防災活動の実務ソーシャルワーカーとして,また,福祉防災を研究する者として,日ごろから,『災害に備えましょう!防災のための備蓄をしましょう!』と言ったり,ここに書いたりしている私が,「実は何もしていなかった」というのでは良くない,むしろ率先して取り組むぐらいの勢いで行かねば!と思います.思っています.
実際のところ,率先して・・・というのを実行するほどの実行力はないのですが,最近の私の防災活動について,お知らせしておこうと思います.
私の最近の大きな防災のための行動は,「ポータブルバッテリー」を購入した.ということです.
すでに,持ち出し用のリュックは整えました.
備蓄飲食料として普段から使っている水,トマトジュース,鯖缶,レトルトカレー,蕎麦乾麺などのローリングストックはできています.
外で使いやすいカセットコンロに加え,「やはりいつでも,焼肉を楽しみたいだろう」という理由をこじつけ,焼肉専用カセットコンロも買いました.(実際は,家の中で直火で焼肉をしたいという夢をかなえるためでしたが,購入しただけで満足しまだ使っていません)
もちろん,カセットガスもそろっています.
その他いろいろと備蓄・準備関係は整っています.
しかし,「電気って一番大事じゃない?」とある日思いました.
スマホやパソコンの必要性を考えると,電気を使い続けられることは大切です.
大学の授業で「パソコンは,ソフトウェアなければ,ただの箱」と習ったときに,『なるほど!』と思いましたが,「パソコンもスマホも,電気無ければ,ただの塊」であるとともに,電話番号も連絡手段も,場合によれば記憶も記録も,それらを通じてインターネットクラウド上にあることを考えると,電気が使えることがいかに大切か!
携帯用の小さなモバイルバッテリーはいくつか持っていますが,自宅の備えとしてはもう少ししっかりしたものが欲しい,考えました.
そこから,同じ買うなら,いろいろと役立つものを!外で炊飯器でご飯を炊けるぐらいの物を!,と思い,いろいろ検索して検討していました.しかし,いざ購入に踏み切るには,金額的にちょっと勇気が必要なもので,悩み始めると購入意識もだんだん薄れ・・・.
だんだん購入意欲が下がってきたときに,居住エリアの行政の防災事業担当の方と話をする機会がありました.そこで聞いたのは,「個別避難計画の作成は,少しずつ取り組みがすすんでいるし,避難支援が必要な医療的ケアが必要な人たちは自身や家族での備えにも取り組まれているが,電源確保はやっぱり心配が残る」ということ.
その話を聞いて,「そうか,電源の確保は,自分のスマホとパソコンのためだけでなく,何かのときには,人を救える設備になるかもしれない」と思い,購入ボタンをポチっと押しました.
時に,自分のためよりも,「誰かのためになる」というのは,行動を後押しするものだな,と思う今日この頃.
このようにして,我が家にポータブル電源がやってきました.充電をきちんと管理しておかなければなりませんが,これで,電気に関する安心は少し増しました.
炊飯器も使える,容量の大きいポータブル電源なので,いつかそのうち,使う練習の一環に「外に持って行って,炊飯器でご飯を炊いて,おにぎりを食べる」というのを実行したいと思います.
というわけで,装備が一つ充実しました.
電源確保は,容量が大きければ大きいほど良いとは思いますが,購入時には,生活環境と,使い道と,値段と,あとは「運べる重さと大きさ」であることを考えましょう.
そんな大きなバッテリーは不要ということでも,生活をスマホにすっかり依存していらっしゃる方は,モバイルバッテリーのご用意はわすれずに!(充電も定期的にチェックしましょう)
これからも,備え続けていきましょう.