今回は、災害と防災の話を。
今朝、窓をあけるとカエルの鳴き声が聞こえてきました。田植えが終わると、私が住む地域ではカエルの合唱が聞こえてきます。5月下旬からニュースでは防災の話題も増えていて、梅雨が近いと感じるようになりました。
昭和の後半生まれの私が、幼いころを振り返ると、梅雨時期はしとしとと雨が降り続く印象でした。カタツムリやカエルを捕っては家に連れて帰っていたことを思い出します。ところが、最近の梅雨は「しとしと」という表現よりも、「バケツをひっくり返したような」「滝のような」雨が降る印象です。おそらく、皆さんもそのようにお感じになるのではないでしょうか。
今週、私は静岡県に出張に行きました。行政職員の方を対象とした、「個別避難計画」作成の取り組みに関する研修のサポートをしました。残念ながら今回は見損ねたのですが、静岡県といえば富士山。数年前に初めて防災の研修で静岡県を訪れた際は、富士山が噴火することも想定し、備えを呼び掛けていることに驚きました。自然豊かな日本では、その土地の様子に応じた対応が必要であり、一律にできるものばかりではないのだと改めて思いました。
さて、今回は「洪水・土砂災害」の防災について、今一度、皆さんの周囲を確認していただきたいと思います。ハザードマップを見て、「洪水」と「土砂災害」のリスクがあるエリアかどうかを確認しましょう。市町村ごとにハザードマップを作成し、配布されていると思いますが、「どこにあるかわからない」という場合には、インターネットでも確認することができます。
- リスクがある場合、どれほどの被害が想定されているでしょうか?
- 住んでいる地域の、どのあたりに危険があり、土砂災害が発生しそうでしょうか?
- 「洪水」「土砂災害」の際に利用すべき避難所は、どこにあるでしょうか?
- 住居から避難所まで、川沿いや冠水する場所、土砂崩れが発生しそうな場所はあるでしょうか?
以上は、ハザードマップ上で確認することができます。まずは、ハザードマップ上での「図上避難訓練」を行いましょう。
また、天気の良い日に実際に避難所への道を歩いてみたり、近隣の状況や道の様子を確認してみましょう。
- ガードレールや柵、蓋のない、用水路や溝はないでしょうか?道路が冠水すると、用水路などの存在が見えず、避難時に足を踏み入れると大変なことになります。
- 工事中の道、崩れそうなモノが近くにある道はないでしょうか?
そして、自宅では上階に逃げる垂直避難が可能かどうか考え、難しい場合は、早期に逃げることを想定しておくことも必要です。
- 備蓄品が水に浸からないよう、二階以上へ逃げることも想定している場合は、上階にも備蓄を置きましょう。
- 非常用持ち出し袋は、中身を確認し、衣類やタオル、オムツ類を持っていく場合は、水に濡れないように密閉できているか確認しましょう。
一通りの備えができたら、もう一つ。ご近所さんとの世間話をすこししてみましょう。
「梅雨に入りそうですね。最近は、降ると大雨が続くから怖いですね。準備をしていますか?避難先は〇〇ですね。」そんな話から、いざという時は声を掛け合える関係性と認識ができると良いですね。
避難を行動に移すのには、人からの声掛けが背中を後押ししていることが多いそうです。
物理的な備えと、人の繋がりの備えを、できる範囲でコツコツと進めていきましょう。