Covid-19の感染拡大が続く中の五輪開催に様々な声が上がっているところですが、本日は特に海外からみた日本の人権感覚の薄さや差別に関する記事を紹介しようと思います。すでにカナリア倶楽部では、猛暑の時期を「温暖でスポーツに最適」と主張していた(欺いていた)ことや開会式に出場が決まっていたアフリカ系のミュージシャンの出場を辞退させたことなどが取り上げられていますが、他にもあります。
まずは人種差別問題に関連して。アスリートから抗議の意思を示す権利を要求する動きがあります。
本当にそう。
英陸上選手、「抗議することは基本的人権」 五輪での抗議全面解禁求める – BBCニュース https://t.co/7eNbabeErY
— 竹下郁子 (@i_tkst) July 27, 2021
大阪なおみ選手への中傷についても、懸念が表明されています。彼女に対しては、「精神疾患であるのに~していた(おしゃれをしていた、など)」という的外れな批判も寄せられています。
東京五輪で敗退したテニス選手の大坂なおみ氏に対し、SNSで彼女のアイデンティティーを叩くコメントが殺到、東京五輪で多様性掲げた日本の評価が再度ガタ落ち。NYtimes報道。https://t.co/82d97VbC1S
— deepthroat (@gloomynews) July 27, 2021
女性選手のユニフォームや衣装についても、露出の低いものを選べるようになりつつあります。相変わらずの競技もありますが、力強い味方も。
性的扱いに抗議するユニタード、オリンピックでもデビュー。「何を着るかは自分で選べるべき」(ハフポスト日本版) – Yahoo!ニュースhttps://t.co/l3Grc3zrLO
女性にだけ露出の高い服を着させようとするのは間違ってる、っていう常識が浸透するといい😌
— Rain@HSS型HSP✨心理カウンセラー (@imagenist_Rain) July 26, 2021
「性差別的なルールに抵抗した、ノルウェーの女子ビーチハンドボールチームを心から誇りに思います。ヨーロッパハンドボール連盟の方が、性差別で罰金を科されるべきです。選手の皆さん、私は皆さんの罰金を喜んで支払います。闘い続けて下さい」
ピンクねえさん最高や…😂✨ https://t.co/qKH3yAeHtM— アルテイシア新刊「モヤる言葉、ヤバい人」 (@artesia59) July 26, 2021
東京五輪のために、住む場所を奪われた人達について特集している番組もありました。
これが報道だよなぁ。
日本のメディアは「できない」のではく「やらない」だけ。 https://t.co/lQFgap7Zwl— yàsumasa (@__yasumasa) July 31, 2021
カナリア倶楽部の他の記事でも紹介されていた、弁当の大量廃棄問題について、食事に困っている人々のために引き受けたいという申し出と署名活動もなされています。
「捨てる弁当は子どもに配って」弁当4000食分廃棄問題でNPOが組織委員会に異例の要望 | FNNプライムオンライン https://t.co/Qpp6PgibHo
キッズドアの調査結果も載っています。ご飯が食べられない、主食におかずがつけられない、そんな家庭が増えています。
何かが間違っています。— 渡辺由美子 (@YumikoWatanabe_) July 28, 2021
そして人間ではありませんが、動物の福祉について。東京五輪を日本食(特に肉関係)のアピールの場としたかったけれども、むしろ厳しい目が向けられることになったという記事です。
「東京五輪・パラリンピック中に選手村などで使う食材の調達基準を巡り、世界から「動物福祉」の観点で厳しい視線が向けられている。家畜の飼育環境で具体的な規定を設けた過去の大会に比べて基準が緩いためだ」/五輪、食材調達に厳しい目:日本経済新聞 https://t.co/ncY4egBxaU
— 曽我部真裕/Masahiro SOGABE (@masahirosogabe) July 31, 2021
いずれは食べられてしまう家畜であっても、だからこそ生きている間は大切に育てよう、命をリスペクトしようということかと思います。こういうところと、(無観客決定がギリギリだったなどの事情はあるとしても)弁当を大量に捨ててしまうことや、オリンピックが引き起こした影の部分を見ないこと、女性やマイノリティの人々が気持ちよく参加できなかったり意見表明できないことなどは、つながりあっているのかもしれません。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。