ソーシャルワーカーと研究発表の必要性。

三寒四温。それにしても、ここ数日は寒すぎだと思います。そんなときでも、心は温かく居たいものです。

さて先日、兵庫県社会福祉士会調査研究委員会の主催で、調査研究に関する研修会を開催しました。「研究」と言う言葉は、子どものころには“夏休みの自由研究”でなじみのある言葉でしたが、大人になるにつれ縁遠くなり…。福祉の仕事を実際している中で「研究」を進めるという機会は、かなり意識をしてその機会を作り出さなければできないような気がします。それゆえに、どうも遠い存在で、とても難しいもののようにも感じます。

そもそも、ソーシャルワーカーが研究発表をする必要があるのか?そういう問いも聞こえてきそうです。

そして、その答えは「必要がある!」に尽きると思います。

私は、福祉の仕事というものは、人々の毎日の暮らしの中で「しあわせ」を実現していくことだと思っています。それは、目の前の一人の人について考えることもあり、また、例えば地域社会や組織の中での幸せの実現を考えることかもしれません。もっと大きな視野で考えると、国や世界、地球上の、人々が暮らしている場所があるすべてのところへ影響を持てるものだと思います。

しかし、たいていの場合、福祉の仕事は、ソーシャルワーカー1人ではできません。ご本人がいて、その人が暮らす家庭や地域社会やさまざまな組織があり、また、ご本人を支える福祉や医療やその他様々な人や組織が、暮らしの中のしあわせを実現するために登場する必要があります。

研究発表は、専門職としての取り組みを自分だけの経験としてうちに留めておかず、客観的な視点で捉え、それを他者が見て理解できるように文字や言葉で表現します。その過程の中では、これまでに取り組んだ人が発表した成果を踏まえ、取り組みを進めます。そして、発表したものはやがて他の誰かが読み、それをヒントにさらに発展させた取り組みを行うこともあるでしょう。

その、一歩一歩が一人ではなせないようなことを、バトンをつなぎ実現していく過程になるのだと思います。そして、暮らしやすく、「よかったなぁ」と思える世の中に近づいていくのだと、私は信じています。

自分の取り組みを、客観的に捉え、それを達成と反省と希望を込めて、他者に向けて表現する事の大切さを研修会で確認できました。

さぁ、そろそろ年度末。

来年度の取り組みの目標には、研究者的視点をもって仕事に取り組むことを挙げたいと思います。変化の多い世の中ですが、慣れてしまい変化を見逃さないように、『なぜだろう?』『どうしてだろう?』『どうなるのだろう?』そんな疑問に気づき、問いかけ、答えを探すことを大切にしたいと思います。

冬場から春にかけて、さまざまな柑橘が出回りますが、伊予柑もその一つ。小さい子どものころは、伊予柑の皮をむくのが一苦労で、簡単にむける普通のみかんに勝る柑橘はありませんでした。しかし、伊予柑の独特な甘い香りは、魅力的で、特に大人になってからは時々食べたくなり買っています。先日スーパーで、写真の伊予柑を手にしたレジの学生バイトの男性が、不思議そうに「伊予柑?グレープフルーツ?」と首をかしげながら考えていました。「伊予柑ですよ」と伝えましたが、そういえば、私たちはいつどのようにして、柑橘類を見分けるスキルを身に着けるのでしょう。私は、伊予柑、グレープフルーツ、みかん、ぽんかん・・・この辺りはわかります。夏ミカンと八朔を並べると、見分けられるか自信はありません。でもきっと、見る人がみたらわかるのでしょうね。個性の違いに、もっと目を向けたいとおもいました。

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兵庫県在住。「福祉×ICTで、毎日を安心安全に、心豊かに。あなたに寄り添う相談援助」をモットーに『森のすず社会福祉士事務所』開業。成年後見等による高齢者・障害者支援、認知症の方と家族の支援ならびに防災と福祉の地域啓発活動、スクールソーシャルワーカー、各種研修講師などの活動に取り組んでいる。2022年から同志社大学社会学研究科の後期課程博士課程院生。カレーと豆好き。犬大好き。社会福祉士、公認心理師、防災士。介護支援専門員。第1種大型自動車免許、2級FP技能士、第2級アマチュア無線技士。