謹賀新年。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、一年を振り返ると変わらなかったものを探すことが難しいほどに、何もかもが例年と異なる一年でした。そして、その状況は残念ながら今も続いています。
変化することで感じ、理解できたこともたくさんありました。当たり前に行っていた病院に行きにくくなり、節目ごとに行われていた宴会もできなくなり、旅行やレジャーができにくくなり、仕事の量や働き方にも変化があり、また、口元が隠されたことで相手の表情は理解しにくくなり、人と共に過ごす時間が大きく減り、それらの変化から、様々なことが実はとても大切で、私たちの生活を様々な面で豊かなものへと支えていたのだと実感しました。
新年の始まりなので、良い変化も探しましょう。
頻繁に手洗いをし、消毒し、マスクをつけ、健康に気を配ったことで、私は2020年は風邪をひきませんでした。きちんと予防を行うことが大切だという経験をしました。また、私はスクールソーシャルワーカーとして学校に勤務していますが、2020年5月後半の緊急事態宣言が解除された時期には、学校では生徒の登校をクラスの半数ずつにするなど、密を避ける対策を行っているところが多くありました。普段、40名程度の生徒がいるクラスが20名程度になると、こぢんまりとしていて、先生の目も行き届きやすかったようです。それまではあまり学校に来れていなかった生徒も、この時期だけは登校できた例があったことは、複数のスクールソーシャルワーカーから聞かれました。その後、クラスの人数は元に戻りましたが、20人クラスを体験できたことは良い経験だと思います。
一年前には想像できなかったことが起こった一年でした。私たちの想像力は、過去の経験に基づき、また、なんとなく「きっと自分は大丈夫、大きな心配はない」という感じる(正常性バイアス)の上にあったのだと、振り返るとひしひしと思います。一年前の今日、新年のことを想像することはできていませんでした。
今の状況では、医療体制と私たちの健康や生命についても、個人的な経済も社会の経済状況も、楽観視することは難しいものかもしれません。それでも、この状況が近いうちに改善していくことを願い、あきらめずに暮らしを続けていきましょう。
【暮らしの中でできる支え合い】
ヤングケアラーと呼ばれる、若年層(子ども)が介護や育児を担う事例が増えています。特に、親の仕事が不安定になり仕事量を増やす必要により、家庭内で子どもが担う仕事が増えていることが原因の場合があります。お手伝い程度ではなく、学校へ行けなくなる原因(昼間のケア、夜間のケアの結果が起きられない、など)になる状況であれば、家庭内での対応で乗り切ろうとせず、早めに市役所や学校のスクールソーシャルワーカーやカウンセラーに相談をお願いします。
経済的に厳しい状況になる家庭は、今後さらに増えることと思います。家庭のこと、お金のことを相談することを躊躇される場合は多いのですが、いわゆる共助や公助の仕組みは、必要な時に利用して生活をつないでいくことが大切です。行政や、福祉の相談窓口に相談しましょう。
同じ社会で暮らす誰もが窮屈で、つらく、厳しい時期ですが、感じ方や経済状況、家庭状況、身体状況は人によりさまざまです。話すことでストレスが減り、精神的なバランスをとれる場合もあります。つらそうな人がいて、お話をする機会があれば可能な範囲でゆっくりお話をしましょう。電話でも、オンラインでも、人の声を聴き話ができることは、今の状況ではとても大切なことです。
節目のタイミングです。避難用持ち出しリュックのご用意と中身の確認、ご自宅での備蓄食料・水などのご確認も是非!
新しい一年が皆様にとって、平和で心安らげる良き一年となりますように。