12月1日に姫路市で行われた「プライマリ・ケア連合学会第33回近畿地方会」で、兵庫県薬剤師会の企画枠で防災関連ワークショップを開催しました。
これまで、福祉関連の専門職…ケアマネや相談支援専門員の皆さんと、防災と福祉の連携について考える機会は度々ありましたが、医療職が多い場は初めてで、新鮮な気分でした。
災害と医療というと、真っ先に思い浮かぶのが、DMATと呼ばれる、発災直後に被災地域に乗り込み、命を救っていくチームの姿です。そこから連携を考えると、被災地でまだ災害が収まりきっていないような場所で、どのように一人でも多く確実に救うための連携ができるかを考えると思いますが、今回は「防災」をワークショップのメインにしていました。
被災直後にその地域に入っていく専門部隊であっても、まさにその時には、そこには居ません。結局は、地震や津波や洪水が起こっているその真っただ中で頼れるのは、自分と周りの人です。そして、人間関係が希薄になっている今、日ごろの状態がいざという時にモノを言います。いや、きっと、さほど親しくない間柄でも、非日常的な事態が起こり命の危険があれば、人はある程度協力関係を築けるかもしれません。でもそれですら、「隣に人がいる」ということを知っていなければならないのは当然です。「知らない」ことは、そこからそれ以上の成果につなげることはできません。
近所の人との助け合い、というと、「では専門職は無力なのか?」と思ってしまいがちですが、きっとそんなことはないんだと思います。私は福祉の専門職ですが、いざという時に横に居られないからこそ、何かあってもわずかでも命を守り安全を確保できる確率が高くなるように、備えることがより一層大事だと思っています。
研修では、参加者がグループに分かれて、電動車いすを利用する方の実際の生活を聞きながら、災害時の課題や備えについて話し合いました。短時間で完璧な回答を見つけることは難しいのですが、参加者された方が『何らかの備えをして、みんなで備えなければならない』と言うことを感じていただければいいなぁと思います。
地域の防災力につながる、明日からできる3つの行動
・あいさつをしましょう。にっこりと♪
・ハザードマップ(災害の被害想定地図)を見て、災害時に自宅やよく行く場所がどうなるか見ておきましょう。
・避難場所を調べておきましょう。道の様子を確認しながら行ってみましょう。