大臣による言論弾圧に反対する文科省前抗議

8月末から9月頭にかけて海外出張があり、引き続いて東京へ出張したりしていたので、日本のテレビや新聞についてちょっと浦島太郎のようになっていますが、どうやら大手メディアではあまり報道されていないらしいニュースがこれです。


8月30日金曜日、9月6日金曜日と金曜の夕方になると文部科学省前で柴山文部科学大臣に抗議する集会が行われています。かなり多くの人が集まっています。
まずは8月30日の様子を伝えるtweetたちです。


9月6日はこんな感じ。毎日新聞と朝日新聞では報道があったようですね。


9月6日の方は、カナリア倶楽部でも何度か取り上げている大学入試「改革」への反対デモの主張が強くなっている(朝日と毎日の記事も「入試改革反対デモ」というトーンになっている)ようですが、ことの発端はこの件です。


時系列順に整理すると、次のようになります。
まず埼玉県知事選挙に応援演説に行った柴山大臣に対して、ある大学生がヤジを飛ばしました(その内容が入試「改革」反対の内容だった)。その大学生は警察にその場から排除されそうになり、その際にベルトをちぎられてしまいました。そしてそのことをSNS等で発信したところ、柴山大臣がまるで脅しのような返答をし、なおかつ記者会見で「(街頭演説に対して批判的なことを言う)大声を出す権利は保障されていない」と自ら言論の自由を踏みにじるようなことを言いました。この一連の大臣の言動に対する抗議行動が、文部科学省前抗議の始まりです。
一連の流れがわかりやすくまとまった記事が、こちらにもありました。


入試「改革」への反対も重要なことですが、大臣の地位(しかも文部科学大臣の地位)にある人物が、言論の自由の最重要部分である「権力への批判」を封じようとしたというところに、問題の根深さがあると思います。そもそも柴山大臣って、就任早々に教育勅語を復活させるなんてことを口にしたんですよね…。

追記:
上の記事を書いたのが9/8日曜日だったのですが、翌日の月曜日になって新たにこんなニュースがやってきました。


ある高校生が、参院選挙の時に昼休みにも選挙の話をしていた、みんな考えていると思うという発言をtwitterでしたところ、柴山大臣はそれに対して「こうした行為は適切でしょうか?」とその高校生のアカウントを晒す形で述べました。
そしてそれに対して批判が上がると、公職選挙法という名称を持ち出して法律違反だと言い始めました。高校生がお昼休みに政治談議をすることが、法律違反であるわけがありません。


カナリアでもおなじみのナベテルさんのtweet。


一連の流れを再度整理。


近々内閣改造があるようです、どうやら文科大臣は交代するようですが、柴山氏のこの一連の言動は覚えておく必要があると思います。
ついでにこっちも思い出しておきましょう。


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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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