おばあちゃんありがとうと世代間交流

40代半ばにさしかかり,保育所年長男児を持つ母として気になるのは,「お父さんお母さんも子どもも日常世界,地域での世代間交流が少ないなぁ」ということです。

先日,保育所の懇談がありましたが,我が子の保育所が園の外の散歩をしている理由のひとつに「様々な年代の地域の人とのふれあいを大切にする」ということがあるそうです。保育所の方でもこうしてお膳立てをしなければいけないほど,世代間交流がないという現実があります(園の外での散歩については大津の事件を受けていろいろ思うところがありますが今日はその話はおいておきます)

核家族が増え,仕事をもつお父さんお母さんも増え,祖父母と同居するという家庭も少なくなっている現実があります(すべての人がそうだとは限りませんが)。自治会組織も形骸化していたり,近所に誰が住んでいるのか知らなかったり…。

先日,私は,仕事が休みで,もう疲れて泣きそうな気分で,子どものことを考えるの嫌だ,お迎えの時間がこわい,子どもの前で笑える自信がない,きっと今夜も怒ってしまう…と泣きそうな気持ちでスーパーのフードコートでぼーっとしていたら,見知らぬおばあさんに声をかけられました。

あ,あんた男の人かと思うたわ,ここ座ってもええかいな?と言われて,「どうぞどうぞ。私,仕事休みなんですけど,子ども保育所なんですけど,家にいたら家事しそうでリフレッシュしたくて…ここに逃げてきました」という内容のこと言ったら,「お母さんもリフレッシュ大事よ。心身の健康大事。お母さんの心身の健康があって,リラックスして,やで」と言われました。それから,昔は貧乏人の子だくさんいうてな,7人も8人も子どもがいて,いまの人は2人とか3人やね,おたくは子どもさん何人? などいろいろ話をしました。

私はうれしかった。見知らぬおばあさんだったけれど,助けられたと思いました。

そろそろ迎えにいかなきゃいけないからお母さんモードに戻りますっ,というと,がんばったらあかんで,と,黒飴を4ついただきました。いまの飴ちゃんの袋はあけにくいなぁ…とおばあちゃん。いいですよそんな…と言うと,いいからもっていき,おかあさんが元気出さなあかん,と。

飴ちゃん以上のものをもらったと思いました。そして,息子にも,こういう「地域のいろんな世代の人と触れ合う経験をさせたい」と思いましたが,現実は新興住宅地で…地域に誰が住んでいるかも知らず,地震のときもママ友ネットワークを頼りにしたという現実…。

カナリア倶楽部をお読みの方は,たぶん,このおばあちゃんの世代の方も多いかと思います。こういうふうに考える母親もいます,ということを知ってくださればいいなぁと思って書きました。

こんな提案もなされています。

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橋本京子
大阪府茨木市生まれ。京都で大学生・大学院生時代を過ごす。現在,心理学関係の研究,大学の非常勤講師をしながら,5歳になる息子の子育て中。「人間は“病的な心理状態を普通の状態に戻す”だけではなくて“もともと個人が持っている長所や強みを生かして,より幸せな人生を送る”ことができる。それは“しんどい”“つらい”時にも発揮される人間の力である」ということを実践,研究したいと考えている。


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