5回目です。鹿児島県の離島「与論島」に、脳性麻痺で電動車いすの人と一緒に行った時の話です。
〈与論島の旅 3日目 午後〉
さていよいよ今回の旅の目的「奄美群島社会福祉大会記念講演」
ものすごく立派な会場に、来賓の方がずらりと並び、「おおー」と、驚く。
まず最初に、与論島に来てから撮影したビデオ流す。島を散歩する様子、グラスボートに乗るところなどなど。少しなごんでもらった後で講演。
終わった後に交流会。その時に嬉しかったことがある。とにかく次々人が来てくれた。
そして「いいお話聞かせてもらえた。ありがとう!」「この話を聞かせたい人がいる!」とかいっぱい嬉しい言葉をかけてくれた。
奄美群島の他の島からこられた障害者の相談支援専門員をしている方の言葉。「僕が担当している人で、あなたと似ている身体障害の方がいます。40代の方で、その方も一人暮らしをされていますが、親と一緒に住んでいた家にそのまま住んでおられ、もう家が古くなって、次の台風では壊れる、と思うほどです。なので僕は”君より先に家の寿命が終わってしまう,そろそろ施設に入所を考えた方がいい”と本人に言っていました。でも今日の話を聞いて、賃貸で一人暮らしをする方法もあるな。とわかりました。反省です。」
とある島の副町長さんは「住民目線に立つとか言ってきたけど、障害者や高齢者の声を聞いてこなかったんじゃないかと思いました。うちの島にも2人で来てください。」と言ってくださった。嬉しい時間だった。講演していて、伝えたいことが伝わってるとわかった時は至福のときだけど、ほんとうに、それぞれの人がそれぞれの立場で感じとってくださったのがわかる。「届いている感」がすごかった。その後は楽しい懇親会。福祉センターの舞台で職員さんが歌ったり踊ったり、そして与論献奉。
帰りの車で話したこと。与論の副町長さんが、「車いすがグラスボートに担がれて乗る姿を見て、なんてことだ、観光の島と言っておきながら、まだまだだったと反省した。」と言われたことについて。本人さんは「担がれたのは嫌じゃなかった。むしろ嬉しかった。」と言った。「与論島に来て確かに段差もあったりするけど、助けてくれるしそんなに困らない。スロープは大切だけど、スロープがあることで人が助けてくれなくなることもある。スロープがあるからってその店に毎回飲みにいくかと言われたらそうじゃない。スロープなくて、段差があっても、店員さんが担いでくれて、その店員さんと話すのが楽しくて、会いたかったら、その店に飲みに行く。スロープじゃなくて、人やから。もし、僕の車椅子が乗れるグラスボートができても、ストレッチャーの人が来たら乗れないかもしれない。人は融通が利くけど、ものは作ったら変更がきかない。」と。なるほどな。人は融通が利く。でも、そうじゃない人にも出会う。融通が利く人でありたいと思いました。
電動車いすの人と一緒に離島に行ってみたら…。(5)
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