大手コンビニの「子ども食堂」

コンビニエンスストアのファミリーマートが「子ども食堂」を全国展開すると発表し、議論が起こっています。イートインスペースを利用して、子ども100円、中学生以上400円で食事を提供し、40分程度のイベントやレジ打ち体験などができるというもののようです。
貧困問題に取り組んできた方々からは批判的な意見が多い印象です。例えば関東を中心に活動している藤田孝典さん。「内容が子ども食堂と言えるものではない」「現在も過酷な労働を店員に強いておきながらさらに業務を追加するのはダメだ」「国家責任を後退させる危険がある」というのが主な理由です。


大阪で活動している田中さんも同意しています。


「それでも困っている子どもが助からるんだから良い」かもしれないけれども、やはり…という記事も。


ちなみに「もにょる」とは「言葉にしにくいがどうも歯痒い感覚」だそうです。

子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われている今、十分な栄養をとることのできない子どもたちがいることも広く指摘されるようになりました。そのような状況を「なんとかしたい!」と「子ども食堂」を始めた人た人々が全国にいます。ただしその実態は非常に多様でもあり、議論を整理するためには「子ども食堂」とは何かを明らかにしておく必要があるように思います。


他方で、今回のファミリーマートの発表は食品ロス対策などの観点から概ね良いことだとする意見もあります。こちらの番組の中でこの話題が出てきます。


発言している大西連さんは、ご自身のtwitterでも発言をしておられますね。上記の藤田さん達の批判には共感を示しつつ、ファミリーマートとしてはできることをしようとしているのだろうと。
いずれにせよ忘れてはならないのは、「子どもの貧困対策=子ども食堂」では断じてないということです。低賃金労働によるワーキングプア、長すぎる労働時間、高すぎる教育費負担などの問題を政治が解決していくことでしか子どもの貧困は解消しません。2年前になりますが、安倍首相が自身の職務を放棄するかのようなメッセージを出して批判されたこともありました。この姿勢は基本的には変わっていないようにも思います。


———–
西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。