高齢期の暮らしと住まい(35)

あったほうが助かる遺言書

先週は、久しぶりの民放改正で配偶者の「居住権」が新しく制定された話題を取り上げました。「遺言書」の重要性にもチラリと触れましたが、遺言書はその複雑さや手続きの面倒さで、遺言書のことは知っていても「自分には関係ない」「面倒だ」という方も多く、ほとんどの方が活用しないままだと思います。今回遺言書に関わる制度も改正され、以前より使いやすくなります。昔に比べ、家族形態が複雑(離婚、再婚、代襲相続、生涯未婚、etc… )になり、「子に任せておけばなんとかしてくれるだろう」の時代ではなくなっています。今一度、「残る人のために」遺言書を考えてみませんか。

 

筆者の家族も70代前半で遺言書や任意後見契約書を「公正証書」で作成しています

遺言書はちょっと難しい?

遺言書の詳細は法律の専門家に相談いただきたいのですが、ざっと概要を記してみます。遺言書は大きく3つの種類に分かれます。「公正証書」「自筆証書」「秘密証書」で、それぞれにメリット・デメリットがあります。遺言書は法律に基づいた非常に重要な書類ですから、正式なルールに則って作成されなければ、効力がありません。その点は流行りの「エンディングノート」とは全く違いますので注意が必要です。もっとも信頼性が高いものが「公正証書」ですが、手続きがちょっと大変なのと費用もかかります。しかし自筆証書や秘密証書を素人が作成するとトラブルの可能性も考えられます。来年からの変更点は「自筆遺言」が書きやすくなったことです。

 

「自筆遺言」が作成しやすくなる

今まで自筆遺言は、字のごとくすべて自筆で作成せねばならず、代筆やワープロ等の利用は不可でした。しかし、ご高齢の方やたくさんの財産目録がある方は作成が大変です。そこで、来年1月13日から、不動産や預貯金の財産目録部分は、パソコン(ワープロ)で作成したり、代筆が可能となります。各ページに押印やサインが必要ながら、かなりラクになるはずです。さらに、2020年7月までには、自筆遺言書を法務局に持参すれば、要件を確認した上で保管してもらえます。自宅に保管のままだと、忘れてしまったり、紛失したり、その存在すら知られないままのこともありますが、法務局だと安心感が高まります。さらに法務局保管だと「検印」も不要になり、手続きの時間が短縮されます。

今後さらに詳細なルールが通達されると思いますが、気になる方は利用を検討してみてください。

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山中由美<エイジング・デザイン研究所>
大学卒業後、商社等を経て総合コンサルティング会社のシニアマーケティング部門において介護保険施行前から有料老人ホームのマーケティング支援業務に携わる。以来、高齢者住宅業界、金融機関の年金担当部門などを中心に活動。2016年独立。

 


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