昨年こぼれた夏草の種が、次々と発芽し一雨で驚くほど成長する。土が乾いているうちに表面の土を軽く耕しておくと、発芽間もない小さな草は枯れてくれる。トラクターで耕していると土の中から出てくる虫を求めて鳥が集まってくる。しかし乾いた土を浅く耕している時は、ミミズなどは出てこない。そんな時は、小さなクモが、狙われることになる。ひび割れた土の隙間や草の葉影・小さな土塊の下に身を潜めていた小さなクモが、トラクターの接近と共にそこから飛び出してくる。それを小鳥が、追いかけついばむ。土の中の虫が目当ての時は、トラクターの後ろに鳥が集まるが、クモが目当ての場合は、トラクターの前をうろつく。そして捕まえたクモを呑み込むことなく数匹をくちばしに咥え飛び去ってゆく。それを繰り返している様なので子育て中なのかもしれない。
※京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。