アメリカは英仏と共同でシリア政府の化学兵器関連施設への空爆を実施、米英仏は「作戦の成功」を確認したとしています。
破壊された施設についてはこんな証言が。米英仏の空爆で破壊の研究施設、職員は化学兵器の製造を否定 シリア(AFP=時事) – Yahoo!ニュース https://t.co/ylIPYnqmte @YahooNewsTopics
— hirossi (@46hirossi) April 16, 2018
ネット上では高畑勲監督追悼で放送された「火垂るの墓」と関連させた声が見られます。
#高畑勲 監督追悼 『#火垂るの墓』の放送と米英仏の #シリア攻撃 のタイミングで「決して武力では幸せを作れないない。」と強く感じた。 https://t.co/lZJRmcnxWo pic.twitter.com/sOuCYXI3aY
— Hidehiko Otsubo (@vampcanon) April 14, 2018
「火垂るの墓」についてはこんなつぶやきも。
『火垂るの墓』。昔の感想は「過去の戦争の話」とか「二度と繰り返してはいけない悲劇」だったが、どんどん戦争がリアルに感じられ、今の感想は「もうすぐ起きる厄災」「こうなりそうな破滅」みたいになっている。つくづく、平和で幸せな時代を生きてきたなと思う。この感覚、若い人に伝わるだろうか。
— 世に倦む日日 (@yoniumuhibi) April 13, 2018
以下は「カナリア倶楽部」代表で国際関係、安全保障が専門の河原地英武のコメントです。
今のシリア情勢はイスラム過激派組織IS(イスラム国)がほぼ壊滅したために、ロシアが支援するアサド政権と、欧米が支援する反政府組織の対立構図が出来上がっています。そして、アサド政権が徐々に支配権を確立しつつあります。欧米(特にアメリカ)は、シリアがロシアの勢力圏に入ることを何とか阻止したいものの、有効な手段がありません。そこで、アサド政権がロシア軍の支援を背景として反政府組織(民間人を含む)に化学兵器を使ったということを理由に、軍事制裁に出ました(105発のミサイルを発射)。トランプ大統領は化学兵器使用の非人道性を非難し(その背後にはロシアがいると見ます)、かたやプーチン大統領はミサイル攻撃を主権国家への侵略だと糾弾。米ロはそれぞれ国際法を盾に互いを激しく攻撃しています。
シリア問題は事実上、アメリカとロシアの勢力圏争いです。そしてロシア有利に進展するなかで、アメリカがロシアをけん制すべく軍事力を使ってすごんでみせたということでしょう。こうして米ロ関係は第二次世界大戦後、最悪の状態と言われるに至っています。しかし私には、ここにアメリカとロシアのなれ合い関係があるように思われます。結局のところアメリカは、ロシア軍の施設はターゲットにしませんでしたし、むしろロシア軍に犠牲者が出ないよう実際上の避難勧告までしていました。
トランプはロシアを敵視することによって、大統領選挙時にロシアの関与があったとされる疑惑を払拭できるわけですし、プーチンもアメリカを敵とすることにより国内の結束を強め、また中東の中の反米派に対する威信を高めることができます。つまりトランプとプーチンは、互いに敵だとする姿勢をとったほうが、それぞれの権力基盤を固めるのに都合がよいのです。ですから、米ロは直接互いを攻撃しない形で、つまりシリアに代理戦争をさせながら、敵対関係を演じているような気がします。そのような敵対関係を演じることにトランプもプーチンも共通の利益を見出しているのではないでしょうか。そのシナリオに乗るかたちで、国際世論は結局のところ、トランプやプーチンという独裁者たちの権力維持に協力させられているように感じます。