琵琶湖から唯一流れ出す川が宇治川。京都の南部で桂川と木津川が合流し淀川になり大阪湾にそそぎこむ。田中農園の圃場は、その合流地点の少し上流付近に位置する。国道1号線が宇治川を渡る宇治川大橋付近は、河川敷が広く今も葦原が残る。普段は、葦原と水面とは3メートル近く段差が有るが、洪水時には水面は上昇し水の流れもかなり早くなる。そして普段の水面に戻った時、葦原の土手は削れ、葦原の下の地層がむき出しになる。それを見たい衝動に駆られるが簡単には近づけない。ここは昔巨椋池と言う広大な池が有り、その周辺も沼や湿地帯だった。過去何度となく繰り返された洪水の痕が堆積した土の縞模様として見られると思う。最近頻発する大水害も他人事ではない。かつての巨椋池の姿を再び目の当たりにする事も考えられる。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。