日中はまだ日差しが強いですが、朝夕は少しずつ秋らしくなってきました。9月も下旬に差し掛かり、明日9月21日は世界アルツハイマーデーです。全国各地で、認知症啓発イベントや建造物のオレンジライトアップが行われることと思います。
私は兵庫県南部に住んでいますが、兵庫県内でも各地でオレンジライトアップが行われます。私は姫路城をライトアップするイベントに、認知症の人と家族の会兵庫県支部の担当世話人として参加し3年目です。今年も準備万端、明日の日没から姫路城は深夜0時まで温かいオレンジ色に輝くお城になります。
お城がオレンジ色になったからといって、それが直接的に認知症になっても住みやすい街をつくるわけではありません。姫路城は他にも様々な啓発期間にいろいろな色でライトアップされますが、きれいな色に見とれているだけでは、理解は進みません。『今夜のお城はなぜ、オレンジ色なんだろう?』という疑問を持ってもらえること、そして、その疑問に答え知ることができる機会づくりが大切におもいます。
その昔、お城を作った人たちは、平成や令和の時代にはお城がライトアップされ、人々の安心な暮らしのための啓発に役立つようになるとは夢にも思わなかったでしょう。今公開中の映画『引っ越し大名』では姫路城から引っ越す様子が描かれ、笑いあり涙ありの中、雄大な姫路城の姿が時折映し出されます。城があり、城下町があり、そこに暮らす人々が歴史を繋いできました。お城では引っ越しが行われ、城主が変わることがあったとしても、お城自体は長い間地域の人々の生活とともにあった存在です。2009年から5年かけて「平成の大修理」が行われ本当に真っ白になった姫路城も、それから5年たち、当初驚きの白さであった状態にも見慣れ、昼間は青空に映える美しさを相変わらず保っています。
9月21日日没から深夜0時まで、いつもは暗闇に白い姿を照らし出されている姫路城は、一晩だけ温かなオレンジ色になります。認知症について知って正しく理解して、何時までも安心して暮らせる地域をつくるために、世界遺産姫路城が、認知症について世界中の皆さんに関心を持っていただけるきっかけとなりますように。
秋の涼しい夕暮れ、皆様のお近くで開催されている世界アルツハイマーデー オレンジライトアップに立ち寄って、日ごろとは少し趣の異なる景色をご覧ください。良いお天気になって欲しいと心から思います。