「性的同意(セクシャル・コンセント)」を学ぶ

2018年5月の記事で、性教育に対する不当な圧力について取り上げました。その記事の前半で、米国の大学でキャンパスレイプの被害に遭った女性がコンセント・エデュケーションという性的同意について学ぶ教育に取り組んでいることを紹介しました。


性的同意(明確なYesがなければ性行為に及んではいけないということ)について学ぼうという動きが日本でも広がってきました。こちらで紹介されている映像(性的同意を紅茶に例えている映像)は、かなりわかりやすいです。


京都では、関西の大学生有志と京都市男女共同参画推進協会が『必ず知ってほしい、とても大切なこと。性的同意』という冊子を作りました。


性的同意が必要ということだけでなく、被害に遭いそうになったり、うまく断れなかったりして困っている場合の対応についても具体的な情報が載せられていて、よくできていると思います。
大学でシンポジウムやワークショップを開催している学生たちもいます。


性的同意は「相手にYesと言わせればよい」というわけではないということなどについても、詳しく書いてある記事がこちらにあります。


父親などの保護者・監護者に当たる人物からの性的虐待に対する無罪判決が相次いでいたりしますが、現行の日本の法律や判例では、被害者がかなりの抵抗を示し続けないと加害者を有罪にできないという現状があるようです。被害者の側に激しい抵抗の継続を必須とするというのは、あまりにも加害者に有利だと思われます。また被害に遭った人が、「あなたの態度が~だから」などという言葉を浴びせられる(セカンドレイプ)ということもありますが、それも非常に理不尽です。
行為をしたいと思った側に相手の同意を得る義務を課す、「性的同意」という考え方が、日本にも広まってほしいと思います。

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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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