ヒトの体で水分が占める割合は65パーセント程度と言われていますから、体は水で出来ていると言っても過言ではありません。その意味でも水分は体を構成するうえで大事なものです。摂取した水分は腸で吸収されて、血液などの体液になって体を循環します。血液中の不要になったモノは腎臓で濾され、尿管を通って膀胱に溜まり、尿として出ることで体は恒常性を保っています。摂取した水分は尿以外にも吐く息や汗、経血など、いろんな形で排出されています。
そのため摂取した水分量と尿量はイコールではありません。運動などをしてたくさん汗をかくと、当然おしっこは減ります。暑くなって汗が多くなる今の季節に水分が足りないと、脱水症状が起こって熱中症になったり、最悪の場合、命を失うことにもなります。水分不足により便秘や頭痛など、いろんな不具合が起きるので、自分が何をいつどれくらい飲んでいるかを知ることが、とても大切です。「朝、コップ一杯の水を飲むと便秘解消に良い」と言われるように、水を飲むことで体が整ってくると言っても過言ではないのです。
水分補給をする時はノンアルコール、ノンカフェインが大原則。お風呂上がりの水分補給は大切ですが、ビールを飲むと利尿作用でますますおしっこがよく出るので、水分としてカウントしない方が良いくらいです。ですから、何を飲んでいるかが非常に重要なのです。排尿日誌でいつ、何を飲んでいるかを知ることは、自分の食生活、水分生活の点検になります。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。