阪神・淡路大震災から24年 いかに風化させる/させないか

先日2019年1月17日、阪神・淡路大震災から24年目の日でした。当時私は大学生であり、また過去に阪神・淡路大震災の資料保存活動に少しかかわっていた経験があるので忘れられない日であるのですが、年を経るにつれ、年々、関西圏でも1月17日が意識されていないと感じます。神戸・兵庫だけの話になっているのではないかとも思います。

 www.kobe-np.co.jp 
神戸新聞NEXT|総合|阪神・淡路大震災24年 被災地で追悼の朝迎える
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201901/0011985769.shtml
 6434人が亡くなり、3人が行方不明となった阪神・淡路大震災は17日、発生から24年の朝を迎えた。午前5時46分、観測史上初の震度7の激震に見舞われた兵庫県内の被災地。

24年を迎え、ということは2019年現在24歳以下の人は直接阪神・淡路大震災を知っているわけではなく、30歳以下の人も子どもだったので記憶はおぼろげでしょう。震災の風化を防げ、後世に残せということがよく言われます。

そもそも風化とはなんでしょうか。

「ある出来事の生々しい記憶や印象が年月を経るに従い次第に薄れていくこと」とあります。

私自身の意見ですが、風化はある程度は仕方ないと思うのです。年月を経るに従い、記憶や印象はどうしても変化してしまうでしょう。薄れていくでしょう。問題は「いかに風化させる/させないか」という点ではないかと思います。

風化を防ぐための様々な取り組みがあります。

まずは”語り継ぐ”こと。先ほども書いたように直接阪神・淡路大震災を経験した人間は減っていきます。知っている人間が知らない人間に語り継いでいくことがあります。

 Yahoo!ニュース 個人 
【阪神・淡路大震災24年】震災を知らない世代が、知らない世代に語り継ぐ(南文枝...
https://news.yahoo.co.jp/byline/minamifumie/20190116-00111279/
6434人が亡くなり、4万人以上が負傷した阪神・淡路大震災から24年。全国の中高生を対象に震災の記憶や経験を継承し、今後に生かしてもらう取り組みが、2019年1月、兵庫県・淡路島などで行われました。

しかし、学校現場では先生自身も阪神・淡路大震災を直接知らない方も増えており、葛藤があるようです。

阪急電鉄は、Twitterを通じて毎年語り継ぐことを行っているそうです。

先ほど書いたように、記憶は風化します。ある出来事についても、それを直接体験した人の数は減り、直接体験した人の中でもとらえ方は様々です(例えば私は阪神・淡路大震災を体験しましたが被災地からはやや距離があります。また、例えば第二次世界大戦についても直接は”知りません”)。しかし、後世に伝えるべき大きな出来事(災害、事件など)は、あります。いかに風化させる/させないか、また、どのように伝えていくか、”忘れられない”ようにするかが大切だと思います。

今年、阪神・淡路大震災の報道が少なかったのは24年という中途半端な節目だったからかもしれません。来年は25年目として少し大きく取り上げられるかもしれません。5年10年という節目でしか語られないのかという問題もあります。

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橋本京子
大阪府茨木市生まれ。京都で大学生・大学院生時代を過ごす。現在,心理学関係の研究,大学の非常勤講師をしながら,5歳になる息子の子育て中。「人間は“病的な心理状態を普通の状態に戻す”だけではなくて“もともと個人が持っている長所や強みを生かして,より幸せな人生を送る”ことができる。それは“しんどい”“つらい”時にも発揮される人間の力である」ということを実践,研究したいと考えている。


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