梅雨の頃は、菜っ葉が終わり、夏野菜の本格的な収穫を迎える前のちょっと時間的にゆとりの出来る季節だ。とは言え、夏野菜の世話や草刈り肥料づくりなど、丸々休める日はめったにないが、気持ち的には楽だ。雨の日、ちょっとテレビでも見るかとスイッチを入れると日野正平さんが自転車で旅をしている。自分も自転車で小さな旅がしたくなる。また若いアドベンチャーレーサーが、日本百名山一筆書き自力踏破している。超人的な気力と体力に感心しながら、ちょっとだけ真似したくなる。晴れたらどこかに出かけようとワクワクするのだが、畑の様子を見に行くと滞っていた作業が次々と現れ、現実に引き戻される。日野さんの自転車旅は、ただただ癒される。百名山一筆書き自力踏破の旅は、きれいな景色に感動し困難な事を克服した時の達成感を伝えてくれるが、その旅をつづける事のつらさも伝わってくる。百名山一筆書きを踏破した彼は、さらに二百名山一筆書き踏破に挑戦している。人に真似の出来ない野菜作りへの挑戦も当分終わらない。

※京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。