どっちも間違ってないけど、どっちに行きたいですか?

口から食べるのが難しいと言われ、胃瘻をすることになった父でしたが、少し前までは食欲旺盛でした。一昨年転倒骨折して入院した後、老健施設Yで暫く過ごしてから自宅に戻ることになったのですが、Yでは誤嚥しないよう細かく刻んだり、ゼリー食のようなものを提供されていました。それが退院翌日から通うことになっていたデイサービスセンターHでは、その日お餅つきが予定されているとのこと。喉に詰まらせたら大変なので、「無理に食べさせないで下さいね」と心配していたけど、甘いもの好きの父はつきたてのあんこ餅を完食したそうで、連絡帳には嬉しそうに食べている写真が挟まれていました。

一般に高齢者施設では嚥下機能の落ちた高齢者には安全に食べられるように、その人の状態に応じてきざみ食やペースト食、ゼリー食などを提供されます。Yでも適切な対応をして頂いたと思います。でもYでは食事量がかなり減って、退所する時には体重がかなり減って戻って来ました。病院でも胃瘻前にはご飯もおかずも白いプリンのような形態の見るからに不味そうなものを食べていました。その結果、父は食べなくなって行きました。一方、Hでは嚥下機能の落ちた父につきたてのお餅が提供された訳ですが、食べたいと思うから、お餅だってちゃんと飲み込むことが出来ました。Hは認知症対応型の小規模施設なので職員さんの目が行き届き、献立も父が行く日は父の好きなお肉や、シュークリームなどを取り入れて下さっていたので、楽しく通い続けました。お昼にみんなでお寿司屋さんに行った時は職員さんや他の利用者さんの分と合わせて15貫も食べたそうです。それは胃瘻を薦められる数ヶ月前のことでした。父がHで撮ってもらった写真はどらやきだのチョコレートパフェだのお誕生日ケーキだのを笑顔で食べてるものばかりです。今の高齢者施設や病院の多くは安全優先でYのような食事を提供しています。でも、Hのような施設も探せばあるのです。あなたは家族をどちらに通わせたいと思いますか? いえ、あなた自身だったら、どっちを利用したいですか? そんな視点で、地元のデイサービスセンターや老健施設を見学することをオススメします。(モモ母)


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