ホームセンターに虫取り網を買いに行った。笹竹の柄の付いた安い物を2本。大の大人に成った息子と二人で畑の中で振り回す訳だ。ツルムラサキやモロヘイヤが育つ雨よけハウスの中に侵入したバッタや蛾を捕獲する。先日野菜収穫用のコンテナに産み付けられたカマキリの卵がかえり、大量の小さなカマキキリがうごめいていた。それを捕まえてハウスに放したりテントウムシを捕まえてせっせと圃場の野菜に運ぶ姿がちょっと可愛い。効率よく殺虫する方法がいくらでもある現代農業にあって、若者に何をさせているのかと冷ややかな目を向けられそうな気もするが、あるいは、滑稽な気もするが、私達親子は、いたって真面目に百姓として虫たちと向き合っている。私達は、畑で野菜を含めた諸々の自然との関わりから本質的なものを常に学ぼうとしている。原始的な方法だが、十数年ぶりの息子との虫取りがちょっと楽しみだ。虫取り網は、農具費として計上する。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。