私は、県の社会福祉士会に所属している。
毎月、きちんと会報が郵送で送られてくるし、さまざまな情報が得られるのでありがたい。
その中に、求人票が入っていることがよくある。今月は2月と言うこともあって、
新年度の自治体の求人が多く入っていた。それを見て私は思った。
「会計年度任用職員ばっかり…」
会計年度任用職員とは、1年契約の職員のこと。人間の仕事の名前に「会計年度」というのを付けるように法律が変わった時点で、むかむかしていた。人間より会計年度が優先されている感じがとても嫌だった。
入っていた求人は、女性相談員やスクールショーシャルワーカー。
虐待やDVの相談にのったりする仕事。いじめや、養育困難な状況にある家庭で育つ子どもの支援を考える仕事。これらは、1年契約でさせる仕事ではない。
先日、大阪で3歳の子どもが死亡した虐待事案では、事件前の昨年4月から、このケースを担当していた職員や保育士ら3人が一度にかわったという。契約期限が切れたり、異動したり退職したり、さまざまな事情で担当職員が変わってしまうことはある。養育困難な状況にある親御さんとは、なかなか信頼関係が築けないことも事実で、短期間の契約職員では難しい仕事だ。
記事→ 3歳児死亡前、担当職員らが「一度に変更となる事態」 摂津市報告書
こういう事件が起こると、いつも責任者が記者会見で「2度と起こらないように体制を整えます」というようなことを言うが、本気で取り組むと言うなら職員の労働条件をちゃんと考えるべきだ。都合よく切ったりできるような契約で、数合わせをしていて解決するはずがない。
最初に書いたように、このチラシは、県の社会福祉士会の会報とともに届いた。「社会福祉士」という国家資格を持つ人間にたいして、1年契約の低い労働条件で、虐待・DV・いじめなどに対応してもらおうというのは甘すぎる。
そんなことを考えていたら次の日には、1部の議員さんが新資格にしようとしていた「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」(仮称)について、国家資格化が見送られる方向になったというニュースが入ってきた。新しい国家資格を作ったところで、働く者の労働条件が低いままでは何も変わらないと思っていたので、見送りでよいと思った。そもそも社会福祉士は、分野を問わず、困難な状況にある人を支え、社会課題を解決する仕事だ。
分野別の資格は必要ない。
もう、いろいろいい加減にしてほしいと思う今日この頃。