はいせつよもやま話~導入は固定式リフトの検討から

これまでお話ししてきたように介護リフトには様々なタイプがあるのですが、ベッドサイドで使う場合はアーチ型かベッド本体に設置するモノが良いでしょう。アーチ型はベッドの両側に支柱を立てて、その支柱をつなぐ横のレールに身体を吊り上げるハンガーが設置され、左右の支柱の間を移動できるモノです。お金をかけるのであれば櫓型。いずれも介護保険でレンタルできます。照明器具などの場所を変える必要がありますが、部屋の隅に4本の支柱を立てて、その支柱をつなぐレールをハンガーが移動するので、部屋の中のどこにでも好きな所に行ける(左右の移動だけでなく、前後の移動もできる)ので、本人も快適です。床走行リフトはどこでも行けると思われるかも知れませんが、脚の幅を広くしたり、狭くしたりすることは出来るけれど、リフト本体は概ね前に進むのが苦手で、本体を動かしながら吊られている人の体の向きを変えたり、扱いが面倒なところがあります。その為、スウェーデンやデンマークなどでは、操作する人と吊られている要介護者を見る人の2人がかりで床走行リフトを使っています。
日本で多く使われているのは、おそらく固定式のリフトでしょう。日本の部屋はそれほど広くないですし、使う目的はベッドからの移乗がほとんどです。浴室用のリフトもありますが、入浴はデイサービスなどで済ませることが多いでしょうから、ベッド固定式の利用が多いと思います。櫓型はとても便利なのですが、少し大掛かりな感じがしますので、まず導入として固定式リフトのベッドサイドへの設置を検討するのが良いと思います。

「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。


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