今年もまた、あっという間に時間がすぎるんだろうな、と思うスピードで一週間が過ぎました。
さて、最近気になったことを書きます。
私は社会福祉士で、成年後見等の受任もしているので、財産管理に関する質問をされることがあるのですが、先日・・・
『認知症になったら、銀行の口座が凍結されるらしいから、受診させたくありません。介護保険サービスとかも、怖くてつかわせられません』
という話がありました。
聞くところによると、広告やインターネットなどからそのような情報を仕入れているとのことですが、ずいぶんと飛躍して誤解されている状況のようです。
まず、そもそも「認知症」と診断されたからといって、即座に、金銭管理などが無理な状態になるわけではありません。
認知症にもさまざま原因疾患がありますし、進行のスピードや、現時点の生活状況や困りごとの状況もさまざまです。
認知症になって、すぐに金融機関との取引ができなくなってしまうのであれば、それは一大事です。
年金が振り込まれても、自分で出せないのであれば、生活ができなくなってしまうことにつながるのですから。
でも、周囲を見渡してみると、認知症の方や、おそらくそうかもしれないなと思う方は大勢いらっしゃいますが、口座が凍結されている話はめったに聞かないのではないかと思います。
もちろん、度々通帳や印鑑をなくしたり、金銭が管理できない状況が明らかな場合で、多額の金銭を不自然に出金しようとすると、金融機関は「あれ?大丈夫かな?」と思い、出金について確認したり、場合によっては警察や地域包括支援センターに相談する場合もあるかもしれません。
ただしそれは、認知症だから即そうするのではなくて、それなりの理由があるはずです。
その話を聞いてから、インターネットでその情報の発信元を調べたり、同業の知人何名かに尋ねてみたりしました。
すると、広告やネットで確かにそのような記載をしているものをみかけることがある、とのことでした。
とはいえ、よくよく考えてみると、認知症等で自分で金銭管理ができなくなってしまうことを想像すると、それはそれで、とても心配なものです。
銀行口座が凍結されてしまうのも困るのですが、金銭管理ができなくなって生活に支障が出るのも困ります。
頼りになる制度は、たとえば各市町村の社会福祉協議会が行っている「日常生活自立支援事業」での金銭管理サービスや、成年後見制度などです。任意後見制度であれば、自分で選んだ人にいざというときには財産管理をしてもらえるわけで、早いうちに準備をすることで、将来どのように過ごしていきたいかを伝えることもできます。
制度となると、手続きが面倒とか、堅苦しいなどいろいろとありますが、まずは、何事も正しく知ることが大切です。認知症についても、財産管理の手段についても、正しく知って、考えることが、自分らしい暮らしを守る大切な1歩2歩…だと思います。
光陰矢の如しといいます。月日が経つのは早く、あっというまに年を重ねていきますが、その時々で必要な情報をきちんと手に入れ、考えていく努力と学びの姿勢を持って、過ごしていきたいものです。