Weekend Review~「図解 日本語と英語で学ぶ『排泄ケア』」

この本を企画した南あたみ第一病院常務理事の岡山滋さんによると、介護福祉士の養成学校では2023年の入学者の4分の1が外国人留学生だそうです。養成学校では技術的なことは教えるけれど、快適なおむつの装着の仕方や患者さんの尊厳については教えてくれないとのこと。そこで高齢生活研究所所長で当サイトでも「はいせつよもやま話」で高齢生活のあれこれを伺っている浜田きよ子さんの監修で、排泄ケアの基礎知識をまとめた本が出来ました。

日本語と英語でわかりやすく解説されています

排泄ケアの重要性やおむつの種類、紙おむつの構造といったおむつの基本知識、スキンケア、認知症の人への排泄ケアなどが左側の頁は日本語で、右側の頁は英語で解説されていて、イラストも多く、とても実用的です。外国人を含めた介護職の人を対象にしたものですが、わかりやすく書かれているので、家族を介護している人にも役立ちそうです。

介護家族というのは、看取った後、もっとこうすればよかったと誰もが多かれ少なかれ思うものだと思いますが、Ⅲ章「排泄の基本的な知識」のところで、おむつ交換の時に濡れたおむつを引っ張ると表皮剥離を起こして皮膚を傷つけることがあると知り、そう言えば父のおむつ交換をする際に少しでも早く抜き取る方が良いと思って引っ張ってました。そう言われてみれば・・・と思うことを家族は知らず知らずやりがちです。おむつが不要になると姿勢が良くなって食事がしやすくなり、排便の状態が良くなるというのもなるほどと思いますが、そこまで意識せずにおむつの当て方、交換の仕方ばかり気になってた様な気がします。浜田さんは「はじめにー編著者から」で「排泄ケアとは、現状への対応のみならず、現状の把握から必要なことを見つけ、それを実行するプロセスだといえます。ただ日本でもまだまだ排泄ケアがそのように捉えられてはいなくて、おむつ交換やトイレ誘導だと思っている介護者が多いようです」と書いておられます。かつての自分も含めて、家族の多くは排泄ケアの仕方や考え方を知らない状態から介護を始めるので、同じような失敗、同じような後悔を繰り返しがちです。

母は私が高校生の頃にリウマチを発症しました。家をリフォームする際に母の希望を工務店に伝え、工務店さんも「大事なことだから、やりましょう」とトイレや浴室に手すりをつけたり、頑張って下さったんですが、当時は介護保険もなく、要介護者の為の住宅改修ノウハウも十分なかった時代。太い手すりは手指が変形した母にはうまく握れず、母の素人考えで出来た浴槽は実際には使いづらくて結局一度しか浴槽には入りませんでした。これは高齢者介護に限らないと思いますが、困りごとを解決する為の知識がないと、善意だけではダメなんですね。知識は大切。この本にはそうした知識が詰まっています。それはパッドの選び方などの具体的ノウハウは勿論、ケアする人の手が冷くならない様に、乾燥したカサカサの手で触らない様に介護する人自身の手も日ごろから大事にしましょうといった細やかな配慮まで。介護する側もされる側も「人」として大事にされる介護の知見を得ることが、介護をより良いものにしてくれるのだと、この本を読んで改めて思います。(モモ母)

 


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