異変に気付いたのは息子だった。「ほうれん草の芯が喰われてる。」収穫を終え戻ってきた息子が言う。一見きれいに育ったほうれん草の若い葉をかき分け芯を覗くと中心の小さな葉が無残な姿になっている。よく見ると体長3mm太さ0.1mm程の幼虫のようなものが蠢いていた。初めそれが何なのか分からなかったが調べてみるとキノコバエの幼虫の様だ。キノコの菌糸を食べるためキノコ栽培の害虫とされているが普通は、土の中の有機物の分解者で野菜を直接食べる事はない。でもケナガコナダニと言う小さなダニも普段は土の中の有機物を食べているが、春先の一時野菜の芯を喰う事が有るので似たような事例なのかなと思った。昨年の初冬に土作りのために大量の廃菌床を畑にすき込んでいた。2月の下旬に気温の高い日が続いた後雨も続いたので大量発生する条件が、整ってしまったのかもしれない。自然の中でバランスを取るという事は、難しいことだとあらためて思った。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。