客室乗務員の靴と服装

今年は元旦に能登で地震があり、その翌日に羽田空港での事故があるなど、大変な年明けになりました。羽田空港での事故が起きた時、私はちょうど帰宅してテレビをつけたところでした。JAL機体の炎が大きくなっていくのを見ていましたので、全員が脱出できたと聞いた時には驚きもしましたし、大変良かったと思いました。
あの状況で、多くの乗客を避難誘導するのは大変な仕事です。思い出したのは、客室乗務員の靴(特にヒール)と服装が話題になっていたことでした。



つい先日のことだったかと思っていましたが、もう3年が経つのですね。当時、Kuu Too(クートゥー)と呼ばれる「ヒールのある靴の着用を強制するのは不当な女性差別である」という運動が盛り上がっており、厚生労働大臣による「強制はパワハラに当たりうる」という国会答弁を引き出したりしていました。飛行機の客室乗務員は、今回のような事態に遭遇しうる仕事でもあり、タイトスカートにヒールのあるパンプスという服装は不適切ではないかという意見を、今回もX(旧Twitter)などでみかけました(飛行機の座席にある「安全のしおり」には確か、事故の際はヒールを脱いで逃げるようにと書いてあったような記憶があります)。
個人的な経験ですが、外国の航空会社の飛行機に初めて乗ったとき、客室乗務員に男性が多いのに驚きました。また男性、女性を問わず、制服は来ていますが、スカーフなどの小物や着こなしは人によって異なっていて個性があります。日本には、飛行機の客室乗務員に対しての偏った認識があるようで、それはすなわち女性に対する偏った認識でもあります。


とはいえ、少なくとも服装に関しては、変化が起きつつあるようです。


今回のJAL機の乗務員の方々がどのような服装だったのかはわかりませんが、日常の「当たり前と思っていること」の中に潜む認識の偏りやそれに起因する不合理や非倫理について、考えるきっかけになるかもしれません。
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西垣順子<大阪公立大学 高等教育研究開発センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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