こころ野便り~保冷庫

35年間働き続けた保冷庫がついに壊れた。収穫した野菜の鮮度を保つために無くてはならない存在となっている。私が農業を始めた頃には無かったが、一旦家を離れ北海道から帰って来て再び農業を始めたとき父が設置してくれたものだった。それまでは、特に夏場の出荷では野菜が、競りの始まる朝には生温かくなってしまっていた。それが、夕方までに荷造りをした野菜を一晩保冷庫で冷やし競りが始まる直前に市場に持ち込んだ。丁寧な荷造りと鮮度の高さは、良い評価を受けた。それだけではなく出荷調整が出来るので週休が取りやすくなった。まだまだ若い息子に休日を与えたいと考えてくれたのだろう。保冷庫で冷やすものは、野菜だけではない。瓶ビールがケースごと入っていた。仕事が終わり野菜を保冷庫に入れ終えると1本持って出て家に入る。先に仕事を終えていた父は、もうすでに飲んでいる。無くなる頃には、頼んだわけでもないのに、近所の酒屋のお兄さんがいつの間にか補充していたのも懐かしい。父が亡くなり、もうそんな事も無くなって街道に面した商店もすっかり減ってしまった。新しい保冷庫は、どれだけ働いてくれるだろう。省エネ性能は、かなり良くなったらしいのだが・・・。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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