11月に入ってからも半袖で仕事をする日が続いている。農薬を使わず葉物野菜が作れる期間も短くなりつつある。30年程かけて見付けたはずの自然との折り合いの付け方がよく分からなくなって来た。昨年から秋の種蒔きを10日程遅らせた。今年も昨年同様に種蒔きを遅らせたが、昆虫たちの活動はまだまだ活発で食害が収まらない。野菜の生育も早く、この時期にしては収穫の適期が、非常に短い。私が、今の農法に取り組み始めたころ温暖化防止の為の国際会議が京都で開かれた。発展し続ける事の危うさに多くの人々が気付いたのだと思った。しかし実際は、気付きながらも歯止めを掛けることが出来ないでいる。豊かさを求め過ぎてはいないか。私は、神仏に敬意を示し喜びを表すお祭りは好きだ。でも仮初のお祭り騒ぎで未来が切り開けるとは思わない。行く先への不安からついそんな事を思う。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。