先日大きな食用油会社の研究チームの方が、発酵肥料の事について教えて欲しいとお見えになった。今まで廃棄していた製油の過程で出る副産物を利用出来ないかと研究を始めたそうだ。田中農園のお客様には、肥料の製造過程を見学してもらうことはよくあるが、このような形で発酵肥料作りの現場に案内したのは初めてだった。本来企業秘密にしておくべきことなのかもしれないが、娘の友人という事もあり家の野菜の評価も高かったのでそこは大目に見ておいた。実際に現物を見ながら研究者の人と話し始めると面白くて楽しくて、真夏の炎天下での立ち話であったが時間があっという間に過ぎてしまった。資源が潤沢に手に入る時代は、新しい材料をどんどん使い不要になったものはつぎつぎ廃棄したほうが経営効率は良かったのかもしれない。しかし、それは、もう過去の事。見回せば、なんの評価もされずただ捨てられるものの多いことか。そんな話も交えいろんな事を 教えてあげた?つもりでいた。後でもらった名刺をよく見ると応用生物学「博士」と書いてある。釈迦に説法とはこの事かと恥ずかしさを通り越し、妻と娘に話して大笑いした。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。