発展途上にある国は、黙っていても人口が増える。十分な食べ物と物質的な豊かさを享受する国は、人口が増えなくなる。春先肥料の切れかかった野菜は、花芽をつけるのが早い。肥料が十分にきいている野菜は、花芽をつけるのが遅い。極端なことを言えば、医療がますます発達し、不老不死が現実のものとなり、ただ充実しただけの人生が送れるようになった時、人は、子孫を残そうとするだろうか。平均寿命が延びればそれに比例するように出生率が減るのは、無意識の中にそのような仕組みが組み込まれているのではないだろうか。自分達が豊かである事に気付かないのは、生物的な豊かさと脳が求める豊かさに大きな齟齬が有るのだろう。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。