世論はテレビで繰り返される情報によって作られる~事実より心情が優先する時代

4月14日の記事で紹介した京都三条ラジオカフェ開局20周年のシンポジウム「縁食と音で出会う」にオンラインで参加しました。藤原辰史さんの基調講演がとても興味深く、参加した甲斐がありました。藤原さんはナチスのラジオを使ったプロパガンダについて昨年12月の「いち・に・の三条ラジオカフェ」でも話されてましたが、シンポジウムのレジメに興味深い絵が載っていたので、ネットで探してみたらありました。

リンクカードの絵は小さいので、カードをクリックしてリンク先の一番上の絵をご覧頂ければと思いますが、家族が集う部屋の壁にヒトラーの肖像画が掛けられ、その横にラジオが置かれています。イエスやマリアの絵が掛けられるであろう場所にヒトラーの絵、十字架のキリスト像等が置かれるであろう場所にラジオです。日本なら神棚を置く場所にラジオを置いて「君の名は」を聴く様なものと思うとわかりやすいでしょうか(若い人には「君の名は」と言えばアニメかも知れませんが)。
国家イベントだった収穫感謝祭でヒトラーの演説を生中継、日頃も天気予報や穀物相場など農作業をする人達にとって必須の情報と共にヒトラーの思想を流し、差別的なヘイトスピーチも交えて、人びとを巧みに扇動していったとのこと。ちなみに戦争プロパガンダの法則はおぼえておきたい。

ところで、明日13日に岸田さんがバラエティに出るそうです。現役首相がバラエティに出る様になったのは、安倍さんの頃ぐらいからですね。

岸田さんが出る日テレは、安倍さんが首相だった頃、内閣情報官で“官邸のアイヒマン”と言われてスキャンダルのもみ消しに暗躍した北村滋氏が天下ったテレビ局。

一方、先月の統一地方選挙で関西で大きく躍進した維新ですが、三重は全敗という興味深い現象。実は三重は中京圏の放送エリアで、これが影響しているとの見方。

維新関係の話題を連日流している関西圏の放送が流れる徳島では維新が支持されていることも、テレビの影響を裏付けています。

私が驚いたのは吉村さんの知事再選を報じるNHKが「コロナ対策で存在感を示した吉村さん」と紹介していたこと。人口10万人あたりの死者数全国1位など大阪がダントツで成績が悪いのはネットでは知られた話ですが、テレビだと好成績と評されることに違和感があります。

維新の躍進について白井聡氏が「ポスト・トゥルース」の政治の本格化だと語っています。記事によるとポスト・トゥルースとは「客観的な事実よりも感情や個人的な信条への訴求が世論形成に強い影響力を持ってしまう状況」を指すんだそうです。これは鋭い指摘。

多数の死者を出した「事実」よりもテレビで流される「頑張ってる吉村さん」という印象が世論を作るから、事実を示しても意味がない。維新を「マーケティング政党」と言い、同じことを他の党首がやっても受けないというポンピィさんの指摘もなるほどと思わせます。

コスパについても近いうちに書いてみたいと思いますが、衆議院解散説もくすぶり続ける中、テレビがプロパガンダに利用されるのは、なかなか危うい状況だと感じています。(モモ母)


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