肥料にするおからを提供してもらっている豆腐屋さんの周辺は、住宅街の中に小さな畑が所々にあった。葉物野菜を中心にどこもこまめに作付けされていたが、最近急に次々と宅地になってしまった。もうしばらくすれば全て無くなってしまうだろう。農業が老いた。世代交代していればそういう印象を受けないのだけれど。農業が老いる原因とは?最近肥料の値段が、高騰している。経営難に陥る農家を援助するため肥料の値上がり分の一部を補填しようという制度がある。その際化学肥料から有機肥料に変えればさらに優遇されるというものだ。循環型農業へのシフトを即す効果もある様に見込まれているようだが、もともと有機肥料しか使っていない農家は、転換した事にならないので網の目からこぼれ落ちる制度の様だ。自主的に頑張ってきた者が報われない。お上の意に沿った事をする者しか報われないことが、一層農業を老けさせる。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。