こころ野便り~誰のもの その2

穴だらけにされた野菜の葉は、だんだんと目立たなくなってきた。穴が塞がったわけではない。後から出てきた新しい葉が、喰われていないのだ。その新しい葉が、大きくなって穴の開いた古い葉が、目立たなくなってきた。しかし、その間出荷できる野菜が減ってしまったので生業としては痛手だし、取引先には、機会の喪失になるし、末端消費者の方々には、野菜が届かないことになる。農薬を散布すれば、機会の喪失は防げるが、無農薬野菜では無くなってしまう。地球から少し大地を借りて野菜を作って生計を立てているが、その土地には、沢山の生き物が住んでいて何かを食べて生きている。草木を抜いて野菜の種を蒔いたのだから彼らには、野菜以外に食べるものはない。彼らは、喰い尽くす事を しなかった。豊富な野菜を喰い尽くし増え続けることもしなかった。私の食べる野菜は、残された。売れる野菜も残された。でもまたやって来る。節度を持ってやって来る。何故そうなったのだろう生態が知りたい。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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