日本初のNPO法人運営による放送局として2003年3月31日に開局した「京都三条ラジオカフェ(ラジオカフェ）」が、開局20周年を迎えました。
「市民が主役の放送局」をコンセプトに掲げ、市民が企画制作した地域発・市民発の番組を電波に乗せて放送しているラジオカフェが、開局20年を記念し、過去を振り返り未来を描く機会として、４月22日（土）コミュニティキッチンDAIDOKOROで「お祝い交流会」を開催。交流会の前にはシンポジウムが行われ、シンポジウムはオンラインでの参加も可能です。
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◆シンポジウム概要
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◆基調講演（14:15-15:00）
「声を拾う～縁食空間と音声空間を考える～」
内と外をつなぐ縁側のような空間・小さな声を拾う環境を、ラジオ(音声空間)でどう展開していくか。「縁食論」提唱者の藤原辰史さんによる基調講演です。縁食（えんしょく）とは、ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる「あたらしい食のかたち」。子ども食堂、炊き出し、町の食堂、居酒屋、縁側などオフィシャルでも、プライベートでもない食の形態です。
◆基調講演講師：藤原辰史氏 (歴史学者、京都大学人文科学研究所准教授)
1976年島根県横田町（現奥出雲町）出身。農業史と環境史を中心とした歴史学が専門。
『ナチス・ドイツの有機農業』（2005年 第1回日本ドイツ学会奨励賞）、
『ナチスのキッチン』（2016年 第1回河合隼雄学芸賞）ほか著書多数。
◆トークセッション①（15:05-16:05）
「こぼれた声をどう拾う」
インターネットやSNSが個人の発信を可能にした社会の中で、語られなかった言葉、飲み込んだ心の声をどう拾っていくか、それぞれの立場から語ります。
◎トークホスト：藤原辰史
◎スピーカー
・内田香奈/NPO法人きょうとNPOセンター副統括責任者
・鎌田智広/株式会社アドナース 代表/NPO京都コミュニティ放送理事長
・藤本香/京都三条ラジオカフェ放送局長
■トークセッション②（16:15-17:15）
「声を渡すデザイン」
縁食からみた社会のあり方から考えられる、拾った声を“渡す”ためのデザインとは何か。
これからに目を向け、デザインのあり方を探ります。
◎トークホスト：太田航平（NPO法人京都コミュニティ放送 副理事長）
◎スピーカー
・北林功/COS KYOTO株式会社 代表取締役
・山田梨世/株式会社ユニオン・エー 企画・営業チーフ
・西村遥加/京都三条ラジオカフェ 法人事務局長
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◆参加費（こちらから申し込み可能です）
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■シンポジウム・交流会（一般）
¥5,000
■シンポジウム・交流会（学生）
¥2,500
■シンポジウムのみ参加（会場参加）
¥1,000
■シンポジウムのみ参加（オンライン）
¥1,000
基調講演講師の藤原辰史さんが出演された「いち・に・の三条ラジオカフェ」（2022年12月26日放送）をネットで聴くことが出来ます。
またYouTubeでも動画で公開されています。
「ナチスのキッチン」などの著書がある藤原さんは、国家イベントだった収穫感謝祭でのヒトラーの演説をラジオで生中継するなどナチスが当時最先端だったラジオを利用したことを紹介、ラジオがなければナチスはあれだけの政権を獲得できなかっただろうと語っています。「身近なメディアがいかに政治に利用されやすいかを意識せずに、私たちはSNSを使ったりしている」ナチズムにおいて、食・農業そしてラジオがいかに画期的に扱われたかとても興味深い内容です。聞き手の藤本香放送局長は「強味を活かす社会よりも弱みを補い合える社会、弱みを出しても良いと思える安心空間をラジオを通じて作りたい」と話していて、昨今の大手メディアの権威寄りの姿勢や翼賛化を加速する報道、弱者への冷笑が社会に蔓延しつつある中、 コミュニティＦＭはこれからの「希望」になるのではないかと感じました。（モモ母）