総務省文書問題と深刻さを増すメディアの変容

放送法の「政治的公平」に関する総務省の行政文書問題。文書は捏造されたのかとか高市さんが辞任するのか(本人は大臣辞任だけでなく議員辞職と言ったので、議員も辞めるべきでしょう)ばかり注目されますが、2014年から2015年に総理補佐官が総務官僚を恫喝して解釈変更を迫ったとする文書の内容やその影響による送業界の萎縮こそ重大な問題だと感じています。まずこちらの記事に経緯と問題点がまとめられています。「この事件が抱える本質的な問題は、一介の首相補佐官が安倍首相にゴマをすろうとした浅慮で「報道の自由」を侵しかねない事態をいともたやすく既成事実化してしまったことにある」「国民の知る権利にも関わる重大な問題と受け止めなければならない」としています。

続いてこちらの記事。「放送法4条の改正を企図する安倍氏は、その先に安保法制や憲法改正が念頭にあり、政権の意向に従わせるテレビ報道をさせたいという考えがあった」とあります。

そんな中、古賀茂明さんが「ゴールデンラジオ」の中で語る昨今の官僚と大手メディア事情は必聴です。テレビを守ったのが官僚で、メディアは傍観という青木さんの指摘、何故そうなったのか理由がわかります。

キー局とは無縁ながら放送の仕事に携わる一人として、若手放送人が権力に従順で弱者に驚くほど冷淡なのは、近年私も実感します。既に現場を離れた元放送人は仕事熱心な後輩たちのそうした内心の変化に殆ど気づいておらず、世代間ギャップがある様に見えます。今、地方局ですら圧力なんてなくても自ら進んで権力の意向に沿った放送をしようとします(関西特有の事情もありそうです)。
古賀さんと言えば「I am not 安倍」発言で「報ステ」を降板して話題になりました。「古賀は万死に値する」とメールした中村格前警察庁長官は、伊藤詩織さんへの性暴行事件で逮捕状執行を取消して警察庁長官に栄転、安倍氏銃撃事件で引責辞任し、日本生命への天下りが報じられた人です。

同じく報ステのレギュラーだった中島岳志さんのコメントが興味深い。

2016年3月に古館さんは降板し、今の報ステが骨抜きになったのは見ていて明らかですが、当時の気骨あるスタッフはパージされたと古賀さんが上にもリンクした放送の中で語っています。やはりこの頃がターニングポイントだったのでしょう。

戦史研究家の山崎さんが指摘する様に戦争中もメディアは国民の側にいなかった、その反省をしたはずのメディアが同じことを繰り返そうとしています。それはまた改めて。(モモ母)


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