Weekend Review~「仏像のひみつ」

4つのひみつを知れば、仏像ってこんなに面白い。「仏像のひみつ」の帯の裏には、そんなキャッチコピーが書かれてします。東京国立博物館の人気のあった展覧会「仏像のひみつ」を本にしたもので、仏像鑑賞のツボがたくさんつまっていました。
京都育ちで小さい頃からお寺によく行ったし、京都では仏教関連の展覧会がよく企画されてるので、きっと他府県の人より仏像に触れる機会は多かったはずですが、これを読んで、今までぼーっと見てたのがよくわかりました。例えば、薬師如来像は膝の上に置いた左手に蓋のついた壺を持っているとか、大日如来は密教のお寺にしかないなんて初めて知りました。余談ですが、京都には至るところにお地蔵さんがおられて、夏に地蔵盆をしたり、地域の人が花を供えたり、冬には毛糸の帽子を被せたりととても身近なのですが、全部お地蔵さんだと思っていたら、実は大日さんもおられて、地蔵盆だけでなく大日盆もあるということを数年前に知りました。私には同じに見えるけど、お地蔵さんは「地蔵菩薩」だし、大日さんは「大日如来」で、位が違うんですよね。
ひみつその1「仏像たちにもソシキがある」によると、偉い順番は①如来②菩薩③明王④天だそうで、大日さんの方がお地蔵さんより偉い。そして吉祥天や毘沙門天より不動明王の方が偉かったんですね。
ひみつその3は「仏像も太ったりやせたりする」、つまり時代よって仏像のからだつきや姿勢が違って、上から見ると横に長い楕円形だったり、まん丸だったり、縦の方が長い楕円形になったり。飛鳥時代の仏像は胸をひいておなかを出した控えめな感じで立っているけれど、奈良時代には胸とおなかが前に出て、平安時代はさらに強調されて自信たっぷり。でも後期にはまた胸をひいて控えめに。みんな同じに見えてたけど、仏像彫刻にも流行があったんですね。お寺に行って実際に仏像を見て確かめたくなります。京都や奈良を観光するなら読むとお寺巡りが楽しくなりますよ。「仏像のひみつ」には続編もあって、今は2冊をまとめた完本が出ている様で、以下のリンクで「仏像たちにもソシキがある」をイラスト入りで見ることができます。(モモ母)

 


Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/canaria-club/www/wp-content/themes/mh-magazine-lite/content-single.php on line 21

Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/canaria-club/www/wp-content/themes/mh-magazine-lite/content-single.php on line 30