タイトルが長いのですが、お伝えしたいことは、「社会福祉士国家資格の新カリキュラムに災害の話が登場!」というものです。社会福祉士の国家資格はさまざまな科目に分かれて出題されるのですが、「災害」を含む科目は、『社会学と社会システム』や『地域福祉と包括的支援体制』など、複数の科目にわたっているようです。
本当に、最近、自然災害がよく起こっています。この12月の時期は、降雨は少な目の時期ですが、梅雨時期や夏の集中的な豪雨が降る時期、秋の台風シーズンでは、水害や土砂崩れが度々起こっています。当然地震は年中心配ですし、冬場は信じられないぐらいの豪雪になることも毎年のようにあります。何か起こった時の、その後の対応が明確であれば、何か起きても安心です。
しかし、私は言いたいのです。起こってからも大事だけれど、起こる前の時間をもっと大切に使わなければいけません!
そう、備えあれば憂いなし!なのです。
残念ながら、まだ、『防災』についてソーシャルワークが何かをしようとする兆しは、ごくわずかに有るのか無いのか…おそらく、世間一般には防災とソーシャルワークはまだ結びついてはいないのでしょう。
しかし、人間の生活は絶え間なく続くものです。天気がいい日も、悪い日も、大雨の時も、その後も、地震がおこったとしても、続きます。私たちは、何があっても、生活を続けていかなければ、なりません。
そのために大切なことは、「生き延びる手段を整えておく」です。事前の準備や備えをするのです。1つでもいい、完璧でなくてもいいから、困りごとを一つ減らすためのことをすることが大切です。
福祉職の大半は、もしかすると「困りごと」に寄り添うことには慣れていて、逆に困り感がない場合には、手持ち無沙汰を感じることが当たり前なのかもしれません。そういえば、私も普段の仕事を省みると、『お困りのことがあれば、サポートしますよ』と言っていることが多いです。改善や回復のお手伝いをしますよ、再発防止のお手伝いをしますよ、というものです。
しかし、防災のための準備を進めることは、困って切羽詰まっているわけではなく、『本当に、災害があるのかなぁ?ないんじゃないかな、私は遭わないと思う』という、正常化バイアスと呼ばれる気持ちも起こるので、困りごととしては認識されず、取り組みのきっかけを得にくいものであると思います。ですから、どうも、どこから取り掛かっていいのかわからないのです。
災害だけでなく、人生の危機に備えておく、ということは大切です。それは、どんな人にとっても大切なことだと思います。病気になった時、ケガをした時、一家の大黒柱に何かがあった時、事故に遭ったとき、仕事を失ったとき…などなど。それらの備えには、社会保障制度として、年金保険や労働保険などの公的な制度や、民間の制度もいろいろあります。きっと、保険に加入して、生命や身体状況や財産の万が一に備えている人も多いでしょう。
では、災害への備えは?私は、高齢になったときや、病気やけがをしたときだけでなく、災害が起こった時に生き延びるための取り組みも、社会を保障するものとして大切なものだと考えています。
今後、発災後だけでなく、常日頃から災害を想定して命を守る準備を案内できるソーシャルワーカーが増えるといいなぁと思う今日この頃。2022年もあとわずかです。穏やかに年末年始が過ごせますように。