12月になり、急に寒くなりました。11月の終わりごろには、20度を超える日がありましたが、そこからの、この急降下。冷えないように、防寒対策はできていますか?
今直接に感じ取れる危機感には、備えの行動ができやすいですが、そうでないことへの対策は後回しになってしまいがちです。特に、台風シーズンの秋が過ぎたこの時期は、「もう台風はこない、雨もあまり降らない」という安心感と、年末年始の慌ただしさや賑やかで楽しい雰囲気も相まって、防災のことはいつの間にか意識の遠いどこかへ…。そんなことになっていませんか?
年末年始、もし、家族や親族と話をする機会があれば、是非確認しておいてほしいことがあります。最近では、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)といって、いわゆる人生の最終段階での医療ケアや生活について、事前に考え話し合っておくことの必要性を耳にする機会がありますが、それに加えて、話し合ってほしいことが、もう一つあります。「もしも避難する状況になったら、どうするつもりなのか。どこへ行くつもりなのか。どうやって行くのか」ということです。もし、一人暮らしや高齢者ご夫婦のみの方が逃げる場合は、ご近所さんと助け合ったり声を掛け立ったりすることができるかどうかも、確認する必要があるでしょう。
ACPにしても災害への備えにしても、おめでたいお正月に、そんな縁起でもないことは言えない、と思われるかもしれません。しかし、何か計画をたてるにも、家族みんなの考えを聞くにも、この年末年始はとてもいい機会です。家族が安心して暮らせるように考えることは、新しい一年の最初に相応しいように思います。
そして、話をしたら、形に残しておきましょう。それも、計画の形で残しておきましょう。災害への備えと避難には、まず避難カードを作ってみること。そして、避難する順番やタイミングを考えるために、マイ・タイムラインを作ってみること。
内閣府 部お菜情報のページ「みんなで減災」に災害・避難カード事例集 などを参考に作ってみましょう。
災害・避難カード事例集 – 内閣府 (bousai.go.jp)
災害避難カード(名刺タイプ)1 (bousai.go.jp)
災害避難カード(タイムライン)1 (bousai.go.jp)
自分の分と、家族や周りの人の分が作れたら、もしかしたら、「一人では逃げられない」「よほど備えておかないと逃げるのが難しい」など、いろんなことに気づかれるかもしれません。もし、「逃げられない」といことに気づいても、逃げるのを諦める必要はありません。そんな人のために「地域でつくる個別避難計画」や「専門職も一緒に考えて作る個別避難計画」があるのです。特に、避難行動要支援者への個別避難計画は、令和3年5月の災害対策基本法の改定により、市町村の努力義務となりました。
いずれにしても、まずは、自分について確認すること。つぎに、周りの人が大丈夫かどうか確認すること。そうやって、みんなで気にし合って、いざという時には、みんなで生き延びられるような社会になると安心ですね。